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[船橋招待]新生・東福岡が前橋育英に1-0で勝利。より強度を高め、相手を圧倒して再び上へ

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東福岡高(赤)が前橋育英高とのプレミアリーグ勢対決で勝利

[3.30 船橋招待U-18大会 前橋育英高 0-1 東福岡高 タカスポ]

 30日、第29回船橋招待U-18サッカー大会2日目が千葉県内で行われ、前橋育英高(群馬)と東福岡高(福岡)とのプレミアリーグ勢対決は東福岡が1-0で勝った。

 平岡道浩新監督の下で新たなスタートを切った東福岡が、自信となる一勝だ。昨年からの主力が多く残る前橋育英にボールを保持される時間が増えていたものの、ダイナミックな攻め上がりが印象的な182cm左SB佐野遥斗(新2年)や鋭い動きを見せる左FW神渡寿一(新3年)とMF司城大輝(新2年)が係る攻撃などで対抗。伝統的にオープン攻撃を特長とする東福岡だが、新指揮官が「中にどんどん、どんどん差していきたい。中の人数をちょっと多くしたいっていうのはあります」というように、中央からの攻撃にもチャレンジしていた。

 だが、主導権を握っていたのは前橋育英の方。東福岡は相手MF石井陽主将(新3年)とMF平良晟也(新2年)のダブルボランチやU-17日本高校選抜CB山田佳(新3年)にボールを奪われ、右SB青木蓮人(新3年)のクロスやFW四方田泰我(新2年)のシュートにまで持ち込まれていた。また、キレのあるドリブルでサイドを2度3度と攻略してくるMF白井誠也(新2年)に決定機を作られるシーンも。だが、190cmGK後藤洸太(新3年)を中心にゴール前で我慢強く守り、クロスバーに救われるなど無失点を継続する。

 また、前橋育英のミスを逃さずに攻撃に結びつけると、FW山口倫生(新2年)を起点とした仕掛けなどからゴールを目指す。そして後半13分、敵陣右中間でFKを獲得。これをMF稗田幹男(新3年)が左足で狙うと、鮮やかな放物線を描いた一撃がゴール右上隅に決まり、東福岡が先制した。

 この後、前橋育英がギアを上げて反撃。東福岡は、U-17日本高校選抜FWオノノジュ慶吏(新3年)に決定的なシュートを打たれるなどピンチが続いた。だが、サイドの攻防で好守を見せていた右SB柴田陽仁主将(新3年)が、「ほんとに、最後とか特にキツかったですけど、そこを全員で守りきるっていう、チームの中でそこは通用した部分もあったし、全員で勝ったっていうことで、チームのメンタリティーが強くなったと思います」と頷いたように、CB大坪聖央(新3年)やCB山禄涼平(新3年)を中心に最後まで集中してゴールを守り抜いた。

 東福岡は昨年まで2年連続で選手権予選敗退。全国大会でも8強を前に敗れるケースが続いている。選手権優勝3回の名門は、再び全国上位、日本一まで勝ち上がることが目標だ。平岡監督は強度の部分を近年の課題に挙げ、「もっともっと強い強度にしていきたいです」と語る。

 稗田が「(平岡監督は)指摘も的確で、1番サッカー勉強してるんで、凄く分かりやすい。(練習から求められて)高強度でやってます」という東福岡はこの日、球際でも健闘。そして、「強かった。ほんとに個々の能力が高くて上手かったです」(柴田)という前橋育英相手に個性も発揮して勝利した。だが、選手たちは球際の攻防を含め、全く満足をしていない。

 平岡監督も「まだちょっとチームがフィットしてないっていうか。守備のところで最後押し込まれた時の部分とかバタバタしちゃうし、攻撃のところでもっとサイドチェンジもしたかった」と求める。柴田は、「船橋招待でいい相手とできるんで、そこでしっかり自分たちがやれること、できなかったことをしっかり分析して、持ち帰って、残り1週間、プレミア(リーグWEST)に向けて全員でやっていって、プレミアの開幕、静学(静岡学園)戦勝利で終われるように頑張っていきたいです。(この1年の目標は)3冠。やっぱり全国制覇っていうところを目標として、このチームで結果を残したいです。しっかり気抜かずに、(対戦相手を)圧倒できるようにやっていきたいです」。県新人戦準決勝での敗退によって、九州大会などの厳しい戦いを経験できていないことは確か。それでも、新生・東福岡は意識高く、成長を続けて今年から結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)

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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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