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[船橋招待]186cmCB岡部タリクカナイ颯斗が堅守・市船の象徴「5番」に。因縁の相手とのプレミア開幕戦で「リベンジ」「勝って、勢い乗れるように」

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堅守・市立船橋高の象徴「5番」を背負う186cmCB岡部タリクカナイ颯斗(新3年=柏レイソルU-15出身)

 第29回船橋招待U-18サッカー大会が29日、千葉県内で開幕した。名門・市立船橋高(千葉)は1月の全国高校選手権で3位。船橋招待大会では大会運営の中心の役割を果たしながら、4月開幕のプレミアリーグEASTへ向けた準備を進めている。大会初日は熊本ユースと東京Vユースに連敗。だが、GKギマラエス・ニコラス主将(新3年)とFW久保原心優(新3年)がU-17日本高校選抜の活動から復帰し、怪我による離脱組も戻ってきて戦闘態勢が整いつつある。

 注目の186cmCB岡部タリクカナイ颯斗(新3年=柏レイソルU-15出身)も復帰。熊本ユース戦は後半から、東京Vユース戦は先発フル出場した。元々ボランチで、FWとしてもプレーしてきたが、今冬の選手権はCBとしてプレーし、貴重なゴールを決めるなど健闘。新チームでは、伝統校の守りの要が背負ってきた「5番」の後継者に指名されている。

 186cmの高さは攻守両面で重要。また、水準以上のスピードを備えるDFはこの日、まだ万全ではなかったものの、出足の鋭い守備でボールを3度4度と奪い取っていた。加えて、ビルドアップの中心となり、正確なサイドチェンジも披露している。選手権準決勝の青森山田高戦はPK戦で“公式戦初”の失敗をして敗戦。4月6日には、その因縁の相手とプレミアリーグEAST開幕戦を戦う。リベンジへ意欲を燃やす岡部が、新シーズンへの意気込みなどを語った。

―まずは、東京Vユース戦(0-1)の感想を教えて下さい。
「自分たち、やりたい攻撃をみんなで共有してやろうとはできていたけれど、ゴール前まで行けるけど、その後の手数っていうか、方法がまだ少ないなっていうのは感じています。逆にヴェルディは、僕らがボールを持っていても、奪ってからカウンターとか、1回のチャンスで決められるんで、まだ差があるのかなと思いました。後半は全体的にヴェルディのやりたいことをさせてしまっていたというか。ボールを持たされてる感じで、奪われて、カウンターでピンチっていうのもあって。やっぱり、後ろが僕中心となって、もっと守んなきゃいけなかったし、その中でチャンスもあったんで、ああいう少ないチャンスを決めないと、プレミアとか勝てないなって思いました」

―その中で、自分のパフォーマンスはどう評価している?
「復帰して、まだあまり時間が経ってなくて、体力面とかはまだ全然上がりきってないんで、ここからプレミアまでに100パーセントの状態に上げていかないといけない。キックのところは戻ってきたけど、まだ守備の感覚も、キックも、100パーセントではないんで。(サイドチェンジも)ああいうのはもっと、ほんとはバンバン行くはずなんですけど、この船橋招待を通して、どんどん上げていかないといけないと思います」

―前へ出てボールを取り切るとか、そういう部分は表現していた。
「そうですね、ああいうのをやっぱ出て全部取るぐらいな感じにしないと、プレミアはキツイなと思うんで。もちろん、プレミアは押し込まれる試合が多くなると思うんで、自分が守って、少ないチャンスを自分たちが決めて、勝たないといけないなと思います」

―自分で守って、自分で決めるイメージも。
「そうですね。(得意の)セットプレーとかで決めれたらいいですけど。そこは、前の(久保原)心優とかに決めてもらって」

―最終ラインの柱として期待されている。そこはどう受け止めている。
「もっと自分のことだけじゃなくて、周りのこともカバーするぐらいな感じじゃないと、まだダメだと思うんで、そこはまだまだです」

―まだ、自分に余裕がない?
「いや、自分のことだけやったら全然大丈夫じゃないですけど、周りのカバーとかももっとやっていかないといけないなとは思います」

―まだ動けていないという感覚?
「怪我前はできてたんですけど、今日もまだ体が結構キツかったので。心肺的にももっと上げていかないといけない」

―去年の選手権前ぐらいまでは、全体練習後にシュート練習をしていたそうだけど。もうCBに心も固まった。
「はい。さすがに」

―自分がDFの中心としてやるんだという決意。
「(伝統の)5番もらっているんで。(監督の)波多(秀吾)さんからも『市船の5番付けるんだから、もっともっとやんないといけない』って言われてるんで。まだまだ自分は足りないと思うんで、もっとやっていかないといけないと思います」

―CBの楽しさも。
「レイソルの時とかパスとか好きだったんで、ビルドアップとかは結構楽しいし、あと相手からボール取るのとかも気持ちいいです」

―相手のエースを止める快感もちょっと覚えてきている。
「そうですね。プレミアはすごいFWばっかなんで。そういうやつとマッチアップするのはすごい楽しみです」

―活躍すれば、上のステージも見えてくるかなと思うが。
「簡単なことじゃないと思いますけど。2種登録のFWがいたり、そういう選手ばかりだと思うんで。デカくて、ゴツくて、速くてっという選手ばかりと思うけど、自分が負けてたらチームは勝てないんで、負ける気はないし、しっかりやっていかないといけないと思います」

―選手権で自信にもなった。
「選手権の少し前、プレミアの最終2節とかやっていて、自信はあったんで。選手権自体は負けちゃいけないんで、はっきり蹴るっていうのもあったけど、あまり自分らしいプレーっていうのはできてなかったです。(太田)隼剛が中心となってやっていたので。選手権自体は自分の点数、何点かと言ったら30点とかだと思うんで、今年はしっかりやって負けないチームにしないといけないと思います」

―選手権の負けた瞬間のことは誰よりも忘れていない。
「選手権の思いは誰よりも強いんで。プレミアとかインハイある中で、選手権は常に見据えて、狙っているところ。必ず選手権へ行って、もう1回国立行って勝たないと、あの思いは一生忘れられないと思うんで。選手権は特別です」

―試合のことを思い出す?
「もちろん、思い出します。自分が点取った試合も思い出すし、山田とか負けた試合も、今でも思い出します。山田戦はやばかったっすね。今はだいぶ良くなったんですけど、1か月ぐらいはほんとにずっと悔しくて……」

―早速、その青森山田にリベンジの機会がある。
「(プレミアリーグEAST)開幕戦で、しかもホームで、山田で、応援してくれる人も多いと思うし、注目もされると思うんで、早速リベンジできるんで、そこで勝って、勢い乗れるように。去年出てたヤツらは僕含め、山田に対する思いはかなり強いと思うんで、死にものぐるいで、チャレンジャーとして戦っていきたいです」

―今年1年の目標も最後教えてください。
「今年は去年と比べたらスタッフにも『タレントはいないし、弱い』って言われてるけど、郡司(璃来)とか、(太田)隼剛みたいなのがいないからこそ、チーム一丸となって、常にチャレンジャーの気持ちを持って、プレミアも、インハイも、選手権も去年よりいい結果が残せるように全員で必死にやっていこうと思います」

(取材・文 吉田太郎)
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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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