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[MOM4662]昌平MF三浦悠代(3年)_ 「頭でサッカーが凄くできている」。元代表FWの玉田監督も称賛、小柄なMFが交代出場で2発!

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後半45+3分、昌平高MF三浦悠代(3年=大宮アルディージャU15出身)が右足シュートを決め、この日2得点目

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.13 プレミアリーグEAST第2節 昌平高 4-2 前橋育英高 昌平高G]

「あの感覚が凄く素晴らしい。ボールを受けるタイミングであったり、(160cmほどの身長で)こういう大きな相手(前橋育英高の4バックはいずれも178cm以上)に対しても遜色なくというか、こういう決定的な仕事ができるっていうのは、やっぱり自分の体だけじゃなく、頭でサッカーが凄くできているから」

 日本代表のストライカーとしてアジアカップやワールドカップで活躍した玉田圭司監督も称賛する2ゴール。交代出場のMF三浦悠代(3年=大宮アルディージャU15出身)が、昌平高を今季初白星へ導いた。

 三浦は2-2の後半17分に投入されると、33分に決勝点。右サイドを抜け出したFW鄭志錫(3年)のラストパスを中央で受け、右足でゴールへ蹴り込んだ。さらに45+3分、同じく右サイドのMF山口豪太(2年)からパスを受けると、コントロールから冷静にファーサイドへ右足シュートを沈めた。

「1点目はチソッ(鄭志錫)からいい感じで、もう最高のパスが来て決めるだけでした。2点目も(山口)豪太から横バスもらって打つだけだったんで、あれは味方のお陰です」と感謝する。それでも、いずれのゴールも意識していることを見事に表現し、決めたモノだった。

「空いているところに立つとか、いいところでボール受けるっていうのは、自分の特長だと思ってるんで、それがゴール前で活きてきたっていう感じです。自分は後ろ向きでもらったら、体もちっちゃいし、強い方じゃない。(DFが)後ろから来たら潰されるって分かっているんで、なるべく相手のいないところでフリーで受けてっていうのを意識してやっています」

 昨年は主にサイドで技巧を発揮。その三浦に対し、玉田監督は「もう俺は去年から、『俺は(頭を使ってプレーする)オマエが好きだ』って言っているんですよね」という。1か月前の監督就任発表時に、「サッカーって自分の中では、ある程度頭の中でやるものだと思っている」と語っていた指揮官。昌平のスペシャルコーチを務めていた昨年から、三浦の「頭」を高く評価していた。

 その三浦は昨年、選手権予選決勝で貴重なゴール。だが、自身の特長をなかなか結果に結びつけることができず、選手権全国大会は開幕3日前に左三角骨骨折で長期離脱する不運に見舞われた。チームメートたちが準々決勝まで勝ち上がる姿を見ることしかできなかったが、先週のプレミアリーグ開幕直前に復帰。ただし、開幕戦(対横浜FCユース)は20分間の出場でシュート2本を放つも、質の良いシュートを飛ばすことができずにチームも0-1で敗れていた。

 それでも、この日は抜け目のないポジショニングと技術力も発揮。2得点については、玉田監督も「やっぱり2点取ってくれたのは凄く嬉しいし、何より自分が一番自信になった試合じゃないですか」。本人も「2点目が特に。ちょっとミドルみたいな感じになって決まったっていうのは、自分の中でも自信になった」と喜んでいた。

 三浦は玉田監督の指導によって、パスワークの中での3人目の動きなどを吸収。DFを剥がすドリブルに加え、この日のように得点できる位置でボールを受けることでも違いを生み出していく考えだ。そして、「自分、スタートで、フルで試合出たいっていうのは思ってるんで。練習から、普段走りとかもあるんですけど、そういうのもちゃんとやって、まず90分走れるような体力つけて、結果も残して、スタートから出たいです」と意気込んだ。かつての名ストライカーも認める頭と技巧をより磨き、結果を残し続けて先発の座を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)


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吉田太郎
Text by 吉田太郎

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