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[イギョラ杯]「歴代で一番試合数の多い世代」1年生のみの流経大柏が強豪連破し決勝進出!

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[3.20 イギョラ杯準決勝 流通経済大柏高0-0(PK5-3)藤枝明誠 東京朝鮮高G]

 第22回2012国際親善ユースサッカーイギョラカップ準決勝の流通経済大柏高(千葉)対藤枝明誠高(静岡)戦は0-0からのPK戦の末に5-3で流経大柏が勝利し、國學院久我山との決勝へ進出した。

 1年生軍団が強敵を突破した。予選リーグでFC東京U-18を3-1で撃破するなど3連勝を飾った流経大柏とベストメンバーではないとは言え、三菱養和SCユースと青森山田高のプレミアリーグ勢に勝利した藤枝明誠との準決勝。序盤は高い連動性でサイドのスペースを的確に突く藤枝明誠が決定機を立て続けにつくる。

 今大会、何と1年生のみで戦っている流経大柏だが、この日は焦ってボールを動かそうとしてミスを連発。入学時から徹底して技術を鍛えられてきた世代だが、この日はなかなかリズムをつかむことができない。だが後半は流れが一転。MF小泉慶の投入で流れはさらに傾いた。13分には左サイドで相手に囲まれながらも細かくボールを動かすと、ディフェンスラインの背後へ飛び出したU-16日本代表MF青木亮太の折り返しのこぼれ球を小泉が決定的な右足シュート。やや引き気味のポジションから決定的なラストパスを供給する注目の152cmFW森永卓、小泉らの技術、青木、FWジャーメイン良の突破力などを交えて好チーム・藤枝明誠を切り崩していった。

 ただし、安定したセービングを見せるGK町直哉ら藤枝明誠守備陣は穴を見せず。CB濱一誠やSB吉野宏彰の的確なカバーリングなど簡単にゴールを許さない。それでもMF高須信光、MF嘉茂良悟、MF小林舜典を起点に攻撃を組み立てようとする藤枝明誠だったが、前線から追い回してくる交代出場のFW鷹野瞬ら流経大柏のプレッシャーと局面での強さの前に後半は決定機をつくることができなかった。

 PK戦決着となった一戦は藤枝明誠の1人目・小林のシュートを流経大柏GK小室琢哉が左へ跳んでストップ。一方で流経大柏は5人全員が決めて勝利した。決勝進出した流経大柏は、4月に1年生(新2年生)だけでのイタリア遠征を予定している。本田裕一郎監督が「歴代で一番試合数の多い世代」というほど、実戦経験を積んできた世代は、大型の選手こそ少ないが技術で圧倒するサッカーを貫いて目指してきた。チーム内ではまだまだ上の学年を上回ることはできないが、対外試合では年上の世代相手でも強さを発揮。森永は「イタリアでは身体では負けるんで、技術と走りで勝ちたい」。全国リーグのプレミアリーグイーストを戦う新3年生の世代も注目の流経大柏だが、1学年下にもすでにトップレベルのチームから勝利するほどの実力を備えた好選手たちが控えている。

(取材・文 吉田太郎)

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