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[イギョラ杯]1年生軍団・流通経済大柏が國學院久我山破り9年ぶりV

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[3.20 イギョラ杯決勝 國學院久我山1-2流通経済大柏 西が丘]

 第22回2012国際親善ユースサッカーイギョラカップは20日に大会最終日を迎え、決勝戦は流通経済大柏高(千葉)が2-1で國學院久我山高(東京)を下して2003年大会以来9年ぶり2回目の優勝を飾った。

 大会は、3日連続の短期集中開催。最終日も午前中に準決勝を行うダブルヘッダーとなったが、新2年生チームで大会に臨んだ流経大柏が最後まで走り切り、栄冠を勝ち取った。近年はフィジカル勝負のイメージが強い流経大柏だが、新2年は技巧派ぞろい。07年度にFW大前元紀(清水)やU-23日本代表のDF比嘉祐介(横浜FM)らを擁して全国2冠を遂げたチームに似たショートパスとドリブルによる小気味よい攻撃でゴールへ迫った。前半12分、流経大柏はU-16日本代表MF青木亮太が蹴ったFKにCB時田和輝が飛び込み、ダイビングヘッドで先制点すると、同26分には青木のシュートがクロスバーをかすめるなど試合を優位に進めた。

 しかし、後半に入ると久我山が意地を見せた。後半7分、久我山のMF山内寛史が左サイドの高い位置で相手からボールを奪い返すと、右足を一閃。ボールは鮮やかな弧を描いてファーサイドのゴールネットを揺らして同点とした。その後は、両チームとも疲労の色が濃く、流経大柏のプレスがやや緩んで攻撃の仕掛け合いとなった。流経大柏は途中出場のムードメーカー鷹野瞬が前線で躍動。対する久我山はCBからボランチにポジションを変えた巽豪が巧みなキープと展開で攻撃のテンポを作り続けた。

 決勝点が生まれたのは後半27分。流経大柏は途中出場のMF上田将寛が右からバイタルエリアへパス。これを田中隆太が右前へ流し、後方から飛び出した小柄な森永卓が右足のシュートをきっちりとゴール左へ決めた。「あの場面はゴールへ一直線に行けと監督から指示が出ていて、バイタルにパスが入った瞬間に狙いに行った。GKも見えていたので、しっかりと決められて良かった」と喜んだ森永は、タイトルを手繰り寄せる一撃で大会MVPも獲得した。なお、森永のほか大会優秀選手には國學院久我山の山内、3位決定戦で藤枝明誠高を相手にハットトリックを決めて4-0の勝利に貢献した東京朝鮮高FWハン・ヨンジュンが選出された。

(取材・文 平野貴也)

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