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苦しいときの安英学…「去年の再現になるように」

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[5.1 ACL第5節 柏1-0ブリーラム 柏]

 今季公式戦初先発の期待に応えた。柏レイソルのMF安英学はボランチでフル出場し、守備に奮闘。中盤で体を張り、相手の攻撃の芽を摘んでは、セカンドボールを拾って攻撃につなげた。「何とかして勝ちたかった。今までチームの助けになれなかった。90分、そのために戦って、勝利のために全力を尽くそうと思った」と胸を張った。

 チームは公式戦4試合連続で勝利がなく、リーグ戦は14位に低迷し、ACLも1勝1分2敗の勝ち点4でH組最下位。「危機感はあった。リーグでもなかなか勝ち切れない試合が続いていて、去年苦労してつかんだACLの出場権をこんなに早く無駄にしたくなかったし、韓国の試合(15日の最終戦)を消化試合にしたくなかった」と力を込める。

 ダブルボランチは主力のMF大谷秀和とMF栗澤僚一のコンビから安とMF茨田陽生の組み合わせに変わった。「サッカーのスタイルをちょっと変えて、変化を付けたいということだった」。パスをつないでくるブリーラムのスタイルに合わせ、機動力があり、対人で強さを発揮する安の抜擢。負ければグループリーグ敗退が決まる崖っ縁の一戦でめぐってきた今季公式戦初先発に「プレッシャーはあったけど、逆にチャンスだと思って。こういう難しいときに結果を出せば、信頼を得られる。チャンスと捉えて臨んだ」と、ネルシーニョ監督の期待にしっかりと応えた。

 昨年10月2日の鹿島戦。1点リードの前半42分にDFパク・ドンヒョクが退場すると、直後の前半44分から安がCBで緊急出場し、1-0の逃げ切り勝利に貢献した。チームは連敗を免れ、リーグ戦では未勝利だった“鬼門”のカシマスタジアムで挙げた初勝利で勢いに乗り、その後は無敗で逆転優勝につなげた。

「苦しくないときも使ってほしいですけど」。そう笑った安は「流れは来てますかね。去年の再現になるように。次の広島戦が大事になるので、絶対に勝ちたい」。波に乗り切れない不振から脱け出すきっかけとなるか。J1、ACLと連戦が続く正念場を総力戦で戦い抜く。

(取材・文 西山紘平)

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