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[MOM238]関西大MF和田篤紀(3年)_3得点に絡む活躍で関大を連覇へ導く

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.1 関西学生選手権決勝 大阪体育大1-3関西大]

 昨年度に続いて関西選手権を制した関西大。その攻撃の中心にいるのがMF和田篤紀(3年=神戸U-18)だ。関西屈指のタレントが揃う関西大の中で、1年時からレギュラーとして試合に出場し続けている。

3-1で快勝したこの日の試合でも、3得点全てに絡む活躍を見せた。まずは1点目。CKでDF寺岡真弘の得点をアシスト。2点目もセットプレーから。中盤右サイドからのFKで絶妙な位置に落とし、DF都並優太が頭で折り返したところにFW久保綾祐が詰めた。いずれもセットプレーのキッカーとして正確なキックでチャンスを演出。圧巻だったのは3点目だ。中盤で相手のパスをカットすると即座に前線に走り込んだFW都竹俊優にスルーパス。一瞬のプレーで試合を決定づけた。

 普段はボランチを務めるが、この日はMF石井光輝がアンカーに起用されたこともあり、高い位置でプレー。90分を通してボールタッチの回数が非常に多く、PA付近では決定的なパスで何度も相手守備陣を脅かした。持ち味である縦パスを随所に披露したこの日の試合については和田自身も「今日はより攻撃的にいけた。自分の良さは出せたかな」と振り返った。

昨年度まで中盤にはMF田中裕人(現・磐田)、MF岡崎建哉(現・G大阪)と絶対的な存在がいた。2年間、共にプレーした和田は「今年は2人がいなくなって、自分たちの攻撃の時間が減った。いなくなってみて、全然違うことがわかった」と話す。和田にとって田中、岡崎の両選手は憧れの存在。「2人がいたから成長できた」と改めて存在の大きさを伺わせた。だからこそ、3年目となる今年はチームを引っ張る責任感も芽生えつつある。「昨年は点に絡むプレーをシーズン前は考えていたけど、今年は守備の時間が多いのでチームのためにもっと走ったり、そういう部分が大事になってくるかなと思う」とチームのために、という思いをのぞかせた。

 多くのタレントが揃う関大の中でも、攻撃の中心として和田は欠かせない存在。和田もそれは自覚しており「自分がもっと点に絡まないと関大は良くならないと思う」と気合十分。「サッカー的にはまだまだ。リーグ戦でも苦しい試合が続くと思うので、もっとサッカーを変える必要があると思う」と気持ちは既に今後を見据えている。決して派手なプレーや声を出してチームを鼓舞するようなタイプではないが、胸に秘めている決意は大きい。関西を制し、次は全国でのタイトルへ。和田がチームを更なる高みへ引っ張る。

(取材・文 北野裕子)

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