[12.18 全日本大学選手権2回戦 関西大1-5専修大 BMWス]

　第62回全日本大学サッカー選手権は18日、2回戦を行い、今季の関東大学リーグで3連覇を達成した専修大(関東1)は関西大(関西4)と対戦し、5-1で大勝した。前半24分に先制を許したが、後半に圧巻の5ゴール。2年ぶり2度目の優勝に向け、まずは初戦を突破した関東王者は20日の準々決勝で明治大(関東3)と対戦する。

　専修大は前半5分、MF長澤和輝(4年=八千代高)が振り向きざまに右足ミドルを放つが、GKが正面でキャッチ。同12分には相手のパスミスを奪ったFW前澤甲気(3年=清水商高)が左足でシュートを打ったが、GK志村智久(4年=前橋育英高)が足でビッグセーブを見せた。関西大も前半20分、MF原口拓人(3年=G大阪ユース)が左足で強烈なミドルシュート。ゴールの枠を捉えていたが、GK福島春樹(2年=静岡学園高)が弾き出した。

　両チームが攻め合う激しい展開。先に試合を動かしたのは関西大だった。前半24分、MF和田篤紀(3年=神戸U-18)からパスを受けた原口がPA内へドリブルで切れ込む。鋭い切り返しでDFをかわし、右足でシュート。鮮やかな個人技からゴールネットを揺らし、先制点を奪った。

　1点を追う展開となった専修大は前半26分、長澤のスルーパスにFW仲川輝人(3年=川崎F U-18)が抜け出すが、シュートは打ち切れない。同32分、MF下田北斗(4年=大清水高、ヴァンフォーレ甲府内定)の左足ミドルもゴール上へ。なかなか決定機をつくれず、前半は0-1で折り返した。

「初戦ということもあって、前半は専修らしいサッカーができなかった。緊張もあったのか、パスがワンテンポ遅れたり、1mズレたりしていた。ただ、前半もチャンスはあった。自分たちを信じて、ブレずにゴールを目指してやっていこうと」

　前半をそう振り返った長澤のひと蹴りが試合の流れを一変させた。後半立ち上がりの2分、下田から縦パスを受けた長澤がPA内へ切れ込もうとしたところで倒され、FKを獲得。ゴールほぼ正面、PAわずか手前の絶好の位置から長澤が右足で直接狙うと、低い弾道のシュートが壁の間を抜けてゴール左隅に突き刺さった。1-1の同点。試合を振り出しに戻すキャプテンの芸術FKで一気に勢い付いた。

　後半5分、下田が左足でミドルシュート。同12分には長澤が中央からドリブルで仕掛け、DFをかわしてフィニッシュまで持ち込む。同23分にも長澤のヒールパスからオーバーラップしてきたDF小口大貴(1年=川崎F U-18)がシュートを打った。波状攻撃で関西大を押し込む専修大は後半24分、DF飯田貴敬(1年=野洲高)のインターセプトから長澤がスルーパス。FW山川翔也(2年=新潟西高)のシュートはGKに弾かれたが、ゴール前に詰めていた長澤がこぼれ球を右足で蹴り込んだ。

　長澤の2ゴールで2-1と逆転に成功した専修大は一気に関西大を突き放す。後半30分、MF北出雄星(2年=三菱養和SCユース)の縦パスを山川が落とし、長澤のスルーパスを前澤が右足で流し込んだ。鮮やかなパス交換からの追加点。同32分にも長澤からパスを受けた仲川がドリブルで切れ込み、左足でゴールネットを揺らした。4-1。後半アディショナルタイムには小口の左クロスに合わせた北出のヘディングシュートがオウンゴールを誘い、ダメを押した。

　終わってみれば5-1の大勝で逆転勝利をおさめた専修大。大会初戦を突破し、20日の準々決勝では明治大と対戦する。源平貴久監督が「個人的には明治が一番強いと思っている」と警戒する関東のライバルとの大一番。中1日で迎える決戦へ、源平監督は「事実上の決勝戦」と気を引き締めた。

(取材・文　西山紘平)

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