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[選手権]止まらない京都橘快速2トップ!京都FW宮吉の実弟もゴールで仙台育英に快勝!

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[1.2 全国高校選手権2回戦 仙台育英1-3京都橘 埼玉]

 仙台育英(宮城)の城福敬監督に「京都橘のカウンターは脅威」、キャプテンのDF坂本成(3年)には「速いので止めてもすぐにボールをかっさらわれる。うまかった」と言わしめた京都橘(京都)の快速2トップ、FW仙頭啓矢(3年)とFW小屋松知哉(2年)。この日も2人の大活躍によって京都橘が3-1で勝利をおさめた。

 終始試合を優位に試合を進めたのは京都橘だった。正智深谷を苦しめたショートカウンターはこの日も健在だった。「相手が3バックだったので、サイドが空いていた」と語る仙頭は仙台育英のウィングバック小牧将(1年)と阿部航(2年)の背後のスペースを見逃さなかった。仙台育英・城福監督が「全体的にコンパクトにポジションを取って、相手を動かさないためスペースを狭くしようとしていたが、少しずつ対応が遅れていった。気持ちが前のめりになって中途半端に前に残ろうとして戻りが遅くなった」と語った通り、仙台育英はうまく攻撃陣を狭いスペースに押し込めることができず、京都橘のカウンター攻撃が次々と決まる状態となった。

 前半17分、DFラインの前でフリーとなっていたMF中野克哉(1年)から仙頭へパスが出ると、左に開いた仙頭がゴールを決めて京都橘が先制する。さらに24分には、仙頭が右に開いてボールキープした後、中野がシュートしたこぼれ球を京都サンガF.C.FW宮吉拓実の実弟MF宮吉悠太(2年)がゴールに押し込み追加点。宮吉はボランチの選手だが「前に行った方が良いと直感的に思った」とゴールシーンを振り返った。

 追いすがる仙台育英も35分にMF早坂洸輝(2年)のFKから坂本が自身大会3点目となるゴールを決め1点差に詰め寄った。「0-2になっても選手が落ち着いていた。希望を持った中で後半に入ったが、3点目が痛かった。あそこで2-2にするか1-3にされるかが分かれ道」と城福監督が悔やんだのは後半立ち上がりの3分。京都橘はロングボールを受けた小屋松が中央突破を図り、仙台育英守備陣を振り切り右足シュートを叩き込んだ。その後、仙台育英も選手を入れ替え、状況の打開を図ったが、後半はシュート2本に抑え込まれ、シュート数も18対8と圧倒した京都橘が3-1で快勝した。「前の速さを生かそう」という京都橘の米澤一成監督の狙い通りの試合となった。

 米澤監督は守備陣をねぎらうことも忘れなかった。京都橘はキャプテンで左SBのDF高林幹(3年)が体調不良で欠場。「ノロ(ウイルス)かもしれない」と状態を語ったが、「高林のために、と結束が高まった。よく粘って守備してくれてバランス良く守れた」と語り、高林の代役で入ったDF吉中波緒人(3年)他守備陣の粘りも誉め称えた。ショートカウンターと粘り強い守備を武器に3回戦以降の躍進が期待される。

 一方の仙台育英の城福監督は「宮城の人達にもっと元気や感謝を見せたかったが、力が足りなかった。3年生が4人しかメンバーに入らなかった中ここまで来たのは誉めたい。1~2年生はこういう舞台で何をしたら良いのか一人一人実感したと思うので、さらにスケールアップした彼らに期待したい」と貴重な経験を積んだ1、2年生への期待と、3年生へのねぎらいの言葉を残し、スタジアムを後にした。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 小林健志)

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