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[MOM946]玉野光南FW難波大智(3年)_2世ストライカーが父を超えるまであと1勝

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 玉野光南1-0岐阜工 味フィ西]

 創立30周年。記念すべきこの年に、玉野光南(岡山)は先人たちの最高成績ベスト16に肩を並べた。ベスト16入りをはたしたのは、玉野光南が初めて選手権に出場した27年前。奇しくも相手は同じ岐阜工(岐阜)だった。

 偶然は続く。この日唯一の得点を挙げた玉野光南のFW難波大智(3年)の父・雄司さんも玉野光南の選手として27年前のピッチに立っていたという。「昨日父から聞いた」という因縁の一戦で選手権初得点を飾り、チームを勝利に導くことができた。「中塚(啓太)からいいボールがきて。中塚とは練習からも合っていたので入ってよかったです」。岐阜工DFの網をかいくぐってスペースに潜り込み、ヘディングで決勝点を挙げた。

 5歳から始めたというサッカーで、常に手本となったのは父だった。小中学生の頃は一緒にサッカーをやることもあり、「上手かった」と当時を振り返る。玉野光南を選んだのも、父と同じ高校だからだ。そんな父への感謝の言葉はつきない。「たまにアドバイスももらってます。ボールのもらい方とか、抜け出し方とか、基本FWのことばっかりで。それがあってこそ、いまの自分があるかなと」

 偶然はさらに重なる。難波親子のポジションはともにFW。そして、背負う背番号も同じ「11」ーー。偶然にしてはあまりにも出来すぎている。27年前の3回戦の相手は四日市中央工(三重)だが、今年は星稜(石川)。対戦校までは一緒ではなかったが、どちらも全国に名を馳せる強豪校だ。大会前に3年生全員で坊主頭にし、最後の大会への気合いはみなぎっている。「優勝が目標なんですけど、一戦一勝、明日勝つことがいまの目標」。明日の勝利は、父を超えることも意味する。父へ伝えたいことは? と問われた難波は笑顔で答えた。「並んだので、絶対超えてやるぞ!」

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)

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