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大宮FWノヴァコヴィッチ「ブンデスリーガの質を見せれた」

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[8.18 J1第22節 F東京 0-1 大宮 味スタ]

 期待の新戦力が、勝ち点3をもたらした。後半33分、大宮アルディージャのFWノヴァコヴィッチはPA内で右サイドからMF渡邉大剛が入れたクロスを収めると、ボールをコントロールする。FC東京のDF陣が体を寄せてきたところで、コンパクトに右足を振り抜いた。ボールはDF陣の隙間を縫い、GK権田修一の手の先を抜けて、左サイドネットに決まった。大宮はこのスロベニア代表FWが挙げた1点を守り抜き、リーグ戦で6試合ぶりとなる勝利を挙げている。来日初ゴールを挙げたノヴァコヴィッチは「ゴールは難しいコースだった。ブンデスリーガで見せていたクオリティを見せることができたと思う」と胸を張った。

 対応したF東京の守備陣が、その脅威を語っている。DF高橋秀人は「完璧に崩されたわけではなかったが、少ないピンチでいかにタイトに守るか。今日は最後の所をやらせていなかったが、打たせてしまった一本がああいう形になってしまった」と得点力に舌を巻けば、GK権田修一も「あそこで振る勇気。うちは3人くらい対応していたと思いますが、こう外したら打てるという感覚を持っている」と口にした。

 ノヴァコヴィッチ自身は「欧州は現在オフシーズンのため、コンディションはベストではない。それでも、毎回の練習で全力を出しているし、徐々に良くなってきている」と話す。連係面でも、まだ向上の余地はあるだろう。それでも、アシストをした渡邉の「中は見えていたし、あのタイミングで入れないと思っていた。ノヴァコヴィッチとも目が合っていた」という言葉からは、急速にフィットしている様子がうかがえる。

 ベルデニック監督も「しっかり準備ができれば、より怖い存在になる。2回チャンスがあれば、1点は決める選手。チームを助けてくれる選手だし、危険性を発揮してくれた」と満足げに語った。

 大宮は勝ち点3を加え、順位も15位に浮上した。だが、勝利の立役者となったイヴァコヴィッチに慢心はない。「ネバーギブアップの精神でやっていく。次の試合も勝ち点3を獲れるように、練習から全力で取り組んでいくよ」と語った。

 毎年、驚異的な『残留力』を見せている大宮だが、今季はFWラファエルがボタフォゴ(ブラジル)に移籍し、DF金英權も広州恒大(中国)へ移籍していた。その中で補強した新外国人ストライカーが結果を出したことは、今後の残留争いに向けて、大きな意味がある。

(取材・文 河合拓)

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