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川崎Fは黒星発進もMF稲本「1週間で修正できる」

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[3.3 J1第1節 柏3-1川崎F 柏]

 柏レイソルとの開幕戦を1-3で落とした川崎フロンターレだが、試合後の選手たちは、意外なほどにポジティブだった。その理由を明確にしているのが、MF稲本潤一の言葉だ。「3失点とも、こちらのミスからカウンターを食らったので。それはこの1週間でも修正できることだと思うから。次のホームの試合までにはしっかり修正して、結果が出るようにやりたいです」と、稲本は話している。

 川崎Fの攻撃について、柏のDF鈴木大輔は「崩されている気はしなかった」と話している。見ていた印象としても、ボールを保持しているものの、ゴール前で柏の守備を崩すようなプレーは少なかったように感じた。稲本もゴール前での工夫に乏しかったことを認める。「3失点のところ以外では、しっかりゴール前までボールはつなげています。それまでのアイディア、ボールのつなぎ方は練習からできているところ。ただ、ゴール前での崩し、パスの精度、決定力が足りなかった。そこは繰り返しやっていくしかないと思う」と、反復練習の必要性を語った。

 この試合で川崎Fは、速攻から失点を喫した。ポゼッションサッカーを志向する上で、カウンター対策は必ず必要になるだろう。FW大久保嘉人は、自分たちのミスをなくすことで、相手に速攻のチャンスを与えないという理想を掲げたが、稲本もミスを減らす必要性を口にした。「1失点目と3失点目は形が似ていて、縦パスを取られました。一回後ろに戻してやり直して、前の人が動き直してパスコースをつくるとか、そんなに難しいことではないと思う。選手一人ひとりの意識の問題だから、そこは改善されていると思う」。

 同時に稲本は、コーチングをすることで相手に速攻のチャンスを与えないように対応したいとも話している。「ポジショニングは、僕が一番見えているところ。今日でいえば、僕の前に(風間)宏希と(森谷)賢太郎、途中から(山本)真希が出てきましたけど、その全員が前に行ってしまうと、置き去りになってしまうから、カウンターを食らわないように、ポジショニングをもっともっとコーチングしてやっていければと思います」。

 この試合で稲本は、昨年の第19節大宮戦(4-1)以来、約半年ぶりとなるフル出場を果たした。運動量も豊富で、攻撃の起点にもなっていたが、自身もコンディションの良さを感じているようだ。「昨年はヒザのケガからスタートでした。今年はキャンプから良いコンディションを保てているし、始動から体をつくることができたので、それが良かったと思います」と、説明する。万全の状態にある百戦錬磨の男が、開幕で黒星のついた川崎Fを立て直していく。

(取材・文 河合拓)

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