[3.3 J2第1節 千葉0-1札幌 フクアリ]

　J1復帰を目指すジェフユナイテッド千葉はホームで痛恨の黒星発進となった。序盤からボールを支配し、札幌に圧力をかけた千葉は右SB高橋峻希、左MFジャイールがドリブルでPAへ迫り、スペースを突いたFWケンペスが決定的なシュートを放つ場面もあった。だが、引いて守る相手を崩しきることができずに無得点。そして後半アディショナルタイムの失点で勝ち点1も失った。

　新シーズンへ向けた練習試合では鳥栖、横浜FMを下し、柏とのプレシーズンマッチも3-0で快勝。J1勢相手に力を見せつけていたが、開幕戦では白星を挙げることができなかった。FW谷澤達也は「練習試合とかでJ1のチームとやったときはスペースがあって攻撃は楽だったけれど、引かれた対策がちょっとできていなかったという感じがしている。自分たちでもうちょっとポジションニングを考えていかないといけない」と反省していた。

　今季から指揮を執る鈴木淳監督は初陣の守備面については「(終了間際に失点したが)あまり悪くなかった」と及第点を与えていたが、攻撃面に関しては「局面での戦いになってしまった感じがします。混んでいるところからサイドを変えてSBのオーバーラップを使いたかったんですけど、なかなかそこが上手くできなかった。サイドチェンジはできてもSBが低い位置でしかボールを受けられない。その辺の距離感やポジショニングがあまり良くなかった」。そして「距離感、ポジショニングはもう一度修正しなければいけないと思いました」と修正ポイントに挙げていた。

　攻撃面に関しては昨季チーム最多の15得点をあげたFW藤田祥史が、今オフに横浜FMへ移籍。代わる存在として、昨季C大阪で7ゴールを記録しているケンペスや韓国Kリーグで18ゴールを記録したジャイールらを獲得した。この日は無得点に終わったが、今後は彼らやMF米倉恒貴、MF兵働昭弘らのゴール量産がJ2優勝、J1昇格へ必要となってくる。指揮官は「また次節へ向けてしっかりとトレーニングして、次は勝利で終えたいと思います」。J2屈指のタレントを擁するV候補が次節(対熊本)、白星で再スタートを切る。

(取材・文　吉田太郎)