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古巣対決を前に得点の横浜FC寺田「G大阪の悪い部分をチクチク突きたい」

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[3.10 J2第2節 横浜FC2-2徳島 ニッパ球]

 開幕前から、結果を欲しがっていた。「昨シーズンは、ゴールを挙げられなかったので、今年はゴールを挙げたい」。ガンバ大阪から横浜FCへ完全移籍が決まったMF寺田紳一は、新体制会見の行われた日に、そう語っていた。昨季途中にG大阪から2度目の期限付き移籍で横浜FCに加入した寺田は、16試合に出場したが、ノーゴールでシーズンを終えた。

 そして2013シーズン、2節の徳島ヴォルティス戦で、寺田はゴールを記録した。1-1で迎えた後半8分、MF高地系治、MF松下裕樹、MF武岡優斗とつながったボールを受けた寺田は、左サイドを走るMF内田智也を見ながらも、左足を振り抜いた。この日、再三の好守を見せていたGK松井謙弥も動くことができず、「かなり外から巻かれた」と、悔しがった一撃で、横浜FCは2-1とリードした。

「ウッチー(内田智也)が走っていたので、パスを出そうかなと思ったのですが、コースが見えたので『入るかな』と思って蹴りました」と、2010年9月12日の東京V戦(3-2)以来となるゴールを振り返り、「(シュートは)チェンジアップです。コースは良い所にいきましたね。GKも球が遅すぎて『こんな遅いんやん』と思って、飛ばなかったんだと思います」と、笑顔で続けた。

 ミーティングで山口素弘監督からも「ゴール前に入っていけ」と指示を出されていたという寺田は、「守備はマツさん(松下裕樹)に任せて、できるだけPA内に入っていこうと思っていました」と、攻撃的に戦ったことを明かす。1点をリードしてからも、決して守備に回ったわけではなかった。「僕らは守って(逃げ切る)っていうより、点を取りに行ったり、前から守備をした方が、チームとしてもハマると思うので『もう一回、前から行こう』と話していたのですが…」。そう悔やむように、後半17分、徳島のDF那須川将大に同点ゴールを許し、開幕2連勝を飾ることはできなかった。

「点を取られる時間ももったいなかったし、失点したのは課題ですね。得点はできているので、(失点を)ゼロに抑えないと。みんなでミーティングして、修正したいです」と、1週間後の試合に向けて、修正を誓った。

 その試合こそ、寺田の古巣であるG大阪戦になる。試合後の会見で山口監督も「今日も(G大阪の試合を)少し見ましたが、素晴らしいチーム。ガンバのペースでやられたら、やられる。でも、付け入る隙は十分あると思う。今日は遠藤がノラリクラリやっていたので、ノラリクラリやられないようにしたい」と、J1昇格の最有力候補に挙げられている相手との一戦に闘志を見せた。G大阪アカデミー出身の寺田にとっても、特別な試合だ。

「1年間を見てトータルの中の一試合ということには変わりませんが、昨年の途中まで在籍していたので、意識はしますが、あまり意識し過ぎて固くならないようにしたいです。相手の良いところも、悪いところも知っているので、悪い部分をチクチク突いていきたいです。次もゴールを決めたいです」と、2試合連続ゴールへ意欲を見せた。

(取材・文 河合拓)

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