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ホーム未勝利が続く横浜FC 山口監督「中途半端かもしれません」

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[5.12 J2第14節 横浜FC 0-0 愛媛 ニッパ球]

 立ち上がりに、約1か月ぶりに試合に出場した愛媛FCのMFトミッチは、試合に入れていなかった。ミスを連発し、そこから横浜FCにショートカウンターのチャンスが訪れた。しかし、前半13分にFW田原豊が左足で放ったシュートはゴール右に外れ、同15分にFW黒津勝が右足で放ったシュートも、ゴール左へ逸れている。このチャンスをモノにしていれば、試合は全く違うものになっていただろう。

 その後の横浜FCは、左右のWBを最終ラインまで下げて5-4-1の布陣となった愛媛を攻めあぐねた。後方でボールを回すものの、愛媛のMF赤井秀一が「持たれているというよりも、持たせていた」と振り返ったように、相手に脅威を与えることはほとんどなかった。

 試合後、横浜FCの選手たちは異口同音に「キレイにやろうとし過ぎた」と、反省した。MF松下裕樹が「ボールは持てていましたが、相手のところに侵入していく部分では迫力不足だなとやっていても感じました」と言えば、「守ってくる相手を、どうこじ開けるか。チームとして、まだまだ積極性が足りなかった。もっと大胆でも良かったと思います」と、同調する。

 今シーズン、横浜FCはJ1昇格が期待された。しかし、現実は14節を終えて3勝5分6敗で、順位も18位に沈んでいる。選手たちからは「やろうとしていることはできている。続けていくことが大事」という言葉が多く聞かれるが、指揮を執る山口素弘監督は、どんな感触を得ているのか。

「この成績で偉そうなことは言えませんが」と前置きをした山口監督は、「今年に入ってキャンプからいろいろと準備をしてきて、選手のアクションに関しては、非常に良い部分もあります」と、昨季よりも良くなっていると感じている部分を挙げた。

 同時に低空飛行が続く中で、初めて開幕前からチームを率いている青年指揮官は、葛藤があることもほのめかした。

「痛感しているのは、そういう状況でも勝たないといけないということ。内容を伴いながら勝たないといけないし、結果だけ求めるのもどうなのかなということも、当然あります。結果を求めないといけないと感じているのは当然ですが、それをガラッと変えるのではなくて、徐々に、徐々に、うまくリンクさせながら。ただただ、内容、内容と追いかけるほど、そこまでロマンチストではないですし。中途半端かもしれませんね。どこかの監督には『リアリスト』と言われましたけど(笑)、そこまでリアリストでもないですし。ただ、もっともっとやらなきゃいけない部分は、毎試合感じています」

 5月中にホームゲームのない横浜FC。この日の試合がスコアレスドローで終わり、ホーム初勝利は最短でも6月まで持ち越しになってしまった。そのときまでに、チームは浮上するきっかけを見いだせているだろうか。

(取材・文 河合拓)

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