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ACLに切り替える工藤、酷暑のサウジへ「ここが正念場」

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[9.13 J1第25節 柏1-3磐田 柏]

 ACLへ弾みを付けることはできなかった。柏レイソルは8月31日の鹿島戦(1-3)に続く2連敗。18日に敵地でのACL準々決勝第2戦・アルシャバブ戦を控える中、痛恨の黒星を喫した。

 前半5分、7分と立て続けにCKから失点。いずれもゴールから逃げるアウトスイングのボールに合わせられた。日本代表FW工藤壮人は「見てのとおりで、相手はマイナスのところで合わせる形を狙っていたと思う。そこにハマってしまった」と唇をかむ。しかし、その後は引いて守る相手に対しボールポゼッションを高め、柏ペースで試合は進んだ。

「点が入るのは時間の問題だと思っていた」と話す工藤は後半開始からポジションを1トップから右サイドに移した。対する磐田は後半6分にDF伊野波雅彦を投入。伊野波は工藤とマッチアップする形で左SBに入った。「自分を消しに来てるなとは感じた」。工藤はそう振り返る。

「開いたりインサイドに入ったり、どっちつかずのポジションを取って相手を混乱させた。開いて自分がクロスを上げる場面もあったし、インサイドに入ったりして起点にはなれた」

 後半11分の得点シーンも工藤が中央に流れたことで生まれた右サイドのスペースにDFキム・チャンスが入り、フリーでアーリークロス。工藤がニアでそらし、FW田中順也が左足で押し込んだ。1-2。ここまでは狙いどおりの展開だった。しかし、「3点目だけは絶対に取られちゃいけないと(後半開始前の)円陣でも話していた」という3失点目を後半18分に喫し、流れが止まった。

 その後は磐田の体を張ったディフェンスを攻めあぐね、工藤も果敢にミドルシュートを狙ったが、枠を捉え切れず。そのまま1-3で敗れた。「引きずってもしょうがないし、反省するところは反省して、明日、(日本を)飛び出すときにはACLの頭にしないといけない」。チームは明日14日夜、サウジアラビアに向けて出発する。

 ホームでの第1戦は1-1のドロー。準決勝進出へ勝利が求められる大一番へ、工藤は切り替えている。「勝って戻ってくることだけを考えたい。去年の天皇杯もベスト8で大宮に勝って、勢いに乗って決勝まで行った。アウェーで勝たないといけない試合を乗り越えることで、準決勝へ行けば決勝も見えてくる。ここが正念場だと思う」。昨年の天皇杯準々決勝でも大宮に2点リードを許しながら後半の3ゴールで3-2の逆転勝ち。その勢いのまま頂点に立った。酷暑のサウジアラビアで勝利をもぎ取り、悲願のアジア制覇へまた一歩前進するつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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