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D組首位で準々決勝へ、関塚ジャパンが手にした2つの収穫

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[8.1 ロンドン五輪D組 日本0-0ホンジュラス コベントリー]

 スコアレスドローという結果の中にも2つの収穫があった。D組首位を確定させたU-23日本代表の準々決勝の相手はC組2位のエジプトに決定。ベスト8でのブラジルとの対戦を回避し、マンチェスターのオールド・トラフォードでの準々決勝に回ることになった。

「今日の試合はグループリーグを1位で突破する。そこが大きな目的だった」。引き分け以上で首位が決まる一戦。0-0のまま終盤に入ると、関塚隆監督は「最後の方は『CBもCKで上がらなくていい』と指示は出した」と、リスクを冒すことなく試合を締めくくった。

 7月26日のスペイン戦(1-0)、29日のモロッコ戦(1-0)と、2連勝ですでにグループリーグ突破が決まっていたこともあり、この日は先発5人を変更。GK安藤駿介を除けばフィールド選手は全員が先発したことになり、これまで出場機会の少なかった控え組に実戦経験を積ませることもできた。

「練習だけではどれだけのパフォーマンスを出せるか分からない。ユーティリティーさを含めて、試合の中でどれだけできるか。今日出た選手たちはエネルギーが余っていたし、やってやろうという気持ちで練習してきていたので、そういう決断をした」

 思い切ったメンバー変更。立ち上がりは連係でのミスもあったが、「時間とともにチームとしての機能もよくなってきた。個々の適応能力がこういう大会では大事。一人ひとりが能力の高さを見せてくれた」と、選手たちを称えた。

「短期間でチームが一つの目標に向かって一体感を持って戦っている。それが試合ごとに高まっているし、初戦のスペイン戦で素晴らしい戦いができた。あれだけの緊張感と運動量で、その後どうなるかと思っていたが、大人というか90分の使い方がこの3試合で成長した。チームとして、個人として、やり抜くことができている」

 チームの成長ぶりに目を細める指揮官は4日の準々決勝に視線を移す。相手は、5月のトゥーロン国際大会の最終戦で2-3と敗れ、準決勝進出の望みを絶たれたエジプトだ。「あの大会で3戦目でやられたので、これからまたしっかり準備をしたい。決勝トーナメントは一発勝負。自信を持って戦えるように、チーム一丸となってやっていきたい」。今度こそ準決勝へ。エジプトへのリベンジを果たしたとき、44年ぶりのメダルがいよいよ現実味を帯びてくる。

(取材・文 西山紘平)

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