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今野はカウンターの鋭さに驚嘆、「今までの相手と違った」

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[10.16 国際親善試合 日本0-4ブラジル ブロツワフ]

 カウンターの鋭さは、今までに感じたことのないものだった。日本代表DF今野泰幸(G大阪)は4失点という結果に「できなかったのはカウンターの対処」と振り返った。「しっかりしたブロックをつくっていれば、そこまでやられなかった気はする」。そう強調するDFリーダーだが、危険な位置でボールを失ったときには必ずと言っていいほどピンチを迎えた。

 前半12分の先制点は、自陣でDF内田篤人がヘディングでつなごうとしたところを奪われ、MFパウリーニョに弾丸ミドルを決められた。後半31分の4失点目もDF吉田麻也からMF遠藤保仁への縦パスをカットされ、電光石火の速攻でゴールを決められた。最終ラインを上げて全体をコンパクトにし、ボールを回しながら攻撃を組み立てる日本をあざ笑うように、ブラジルは中盤で日本のミスを突いて得点を重ねた。

「ボールを持っているときに奪われてからのカウンターは大ピンチになったし、ほぼゴールに直結した。そこの精度は高かったし、今までの相手とは違った」。そう指摘する今野だが、日本のパスサッカーで真っ向からチャレンジしたことには意味があったと強調する。「イラクとか今までブラジルと対戦しているチームはほとんどチャンスをつくれていなかった。今日はシュートまで行けたときもあったし、際どいチャンスをつくったシーンもあった。そこは自信を持っていい」。

 積極的なプレッシャーと勇気を持ったボール回しは、時間帯によってはブラジルを苦しめた。しかし、そこでミスをしては、自分の首を絞めるだけ。「精度を上げないといけない。中盤でミスをすると、ゴールに直結する。日本はみんなが動いてしっかりパスをつなぎながら、そこで得点できないと。そうしないと世界には勝てないと実感した」。攻守に課題の見えたブラジル戦。それこそが、自分たちのサッカーを貫いた結果がもたらした収穫だ。

(取材・文 西山紘平)

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