beacon

長谷川2発!5位・山形3-0勝利

このエントリーをはてなブックマークに追加
[4.29 J1第8節 大宮 0-3 山形 NACK]

 2連敗で10位の大宮アルディージャとJ1初参戦で5位と健闘するモンテディオ山形との一戦は、FW長谷川悠の2得点などで山形が3-0で勝利。アウェーで3試合ぶりとなる勝ち点3を獲得した。一方の大宮は3連敗となった。

 前節、試合終了間際の失点で黒星を喫した大宮はMF金澤慎が出場停止。4-4-2システムのダブルボランチの一角には今季初先発のMF片岡洋介が先発し、MF小林慶行とコンビを組んだ。また、前線ではFWデニス・マルケスも今季初先発し、石原直樹との2トップ。左MF橋本早十、右MF藤本主税で4バックは右から塚本泰史、冨田大介、マト、パク・ウォンジェ。ゴールはGK江角浩司が守った。
 一方、ホームでの首位・鹿島戦を引き分けてアウェーに乗り込んできた山形は不動の11人による4-4-2システム。GKが清水健太、4バックが右から小林亮、レオナルド、石井秀典、石川竜也。中盤中央に秋葉勝と佐藤健太郎が入り、右MFがキム・ビョンスク、左MFが北村知隆。2トップは 長谷川悠と古橋達弥が先発した。

 キックオフ直後に試合はいきなり動いた。最終ラインの裏を突いた山形・古橋が右サイドをえぐるとチップキックでのラストパス。ニアサイドへ走りこんだ長谷川が頭で打ち抜くとボールはゴール左隅へと吸い込まれた。長谷川の2戦連発弾で先制した直後には大宮・マトのクリアミスを拾った古橋がGKと1対1に。この場面はGK江角が何とか防いだが、ホーム・大宮の試合の入りの悪さは明らかだった。藤本や小林がDFの裏へボールを送るが前線との呼吸が全く合わず、相手ボールへと変わっていった。
 そして13分には山形が早くも2点目を奪う。キムのドリブルから右サイドを突いた秋葉が右クロス。これをファーサイドの古橋が右足ボレーで合わせるとこぼれ球に反応した長谷川が体ごとゴールへと押し込んだ。

 立ち上がりに2失点を喫した大宮は攻撃もかみあわず苦しい展開。たが、中盤まで下がってボールを受けに来る初先発のデニス・マルケスと周囲がかみ合うまでそれほど時間はかからなかった。中央でボールをキープする10番や藤本に人数をかけて寄せに来る山形DF陣の裏を取り、左のキムと右の塚本の両SBがサイドのスペースを強襲。22分に塚本の右クロスからデニス・マルケスが頭で流し込んだシュートはオフサイドで認められなかったが、23分にもデニス・マルケスが個人技で右サイドを突破するなど得点の予感をさせていた。

 攻守の切り替えの速度、パスの精度で劣るなど決して内容で上回っていた訳ではなかった山形だったが、CBレオナルドが中央で相手の攻撃を跳ね返し、FWの古橋がPA付近まで戻って守備をするなど1人1人が役割を全う。ギリギリのところで得点を与えない。前半ロスタイムには右サイド、PAやや外の位置からのFKを大宮MF橋本が左足で直接狙うも、守護神・清水がゴールからかき出す好守。このビッグセーブがアウェーチームをさらに勇気付けた。そして後半は堅い守りから的確なカウンターを繰り出し、長谷川や古橋が決定的なシュートにまで持ち込んでいった。
 
 ハーフタイムに張外龍監督が「リズムは悪くない」とコメントしたように、大宮の前半の内容は決して悪くなかった。それでもこの日はゴール前の最後の部分がかみ合わなかった。後半も14分にキムが左サイドを抜け出し、マトの思い切ったオーバーラップからゴールへ迫る場面もあった。FW藤田祥史を投入し3トップへ移行していた35分には相手のクリアミスをゴール前で拾った石原が狙い済ませた右足シュートを放ったが、山形・古橋がゴールライン上でクリアする。
 できつつあった穴を最後まで塞ぎきった山形は後半42分、途中出場のMF宮本卓也がPKを獲得する。そしてキッカー・古橋の右足シュートが、後半好守を連発していた大宮GK江角のゴールを破り勝負アリ。山形が上位に食いつく3戦ぶり白星を挙げた。

(取材・文 吉田太郎)

TOP