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本田復帰のザックジャパンが香川&岡崎弾で快勝、宮市もデビュー

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[5.23 キリンチャレンジ杯 日本2-0アゼルバイジャン エコパ]

 日本代表は23日、キリンチャレンジ杯でアゼルバイジャン代表と対戦し、2-0で快勝した。史上最多となる海外組9人が同時先発した試合は前半42分にFW香川真司の国際Aマッチ10得点目となるゴールで先制。後半13分にはFW岡崎慎司が追加点を決めた。MF本田圭佑が9か月ぶりに代表復帰し、FW宮市亮、MF高橋秀人、DF酒井宏樹も国際Aマッチデビュー。6月に開幕するW杯アジア最終予選3連戦前のラストゲームを快勝で飾った。最終予選に臨む日本代表メンバーは明日24日にあらためて発表され、6月3日の初戦でオマーン代表と対戦する。

 日本は4-2-3-1のシステムを採用。約9か月ぶりの代表復帰を果たしたMF本田圭佑がトップ下に入り、昨年8月10日の韓国戦以来、287日ぶりに代表のピッチに帰ってきた。香川は左サイドで先発。1トップに入ったFW森本貴幸はザッケローニ監督の初陣となった10年10月8日のアルゼンチン戦以来、約1年8か月ぶりの代表戦出場となった。MF遠藤保仁不在のボランチにはMF細貝萌が入り、DF今野泰幸、DF吉田麻也不在の最終ラインではDF栗原勇蔵、DF伊野波雅彦がCBを組んだ。
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 本田が入ったことで攻撃の起点が生まれた日本は立ち上がりから試合の主導権を握り、アゼルバイジャンを押し込んでいった。前半2分、本田のパスを受けたMF長谷部誠が右サイドからアーリークロス。PA内左には走り込んだ香川が左足ダイレクトで合わせたが、シュートはゴール右に外れた。

 前半11分には香川のスルーパスから左サイドをオーバーラップしたDF長友佑都のクロスに岡崎が飛び込むも、シュートはGKがキャッチ。同17分、本田の横パスから長谷部がミドルシュートを狙うと、ゴール前の森本が角度を変えてゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定だった。同19分にも長友のスローインを受けた本田がつなぎ、香川が右足で狙うもゴール左へ。立ち上がりから立て続けにシュートチャンスをつくったが、ゴールにはつながらなかった。

 遠藤不在ということもあり、左CKは香川、右CKは本田が務めた一戦。前半22分、本田の右CKのセカンドボールを細貝が右足ミドルで狙うと、シュートはDFに当たり、ゴール前混戦から最後は伊野波がシュートを打ったが、ゴール左に外れた。前半30分には右45度、ゴールまで約30mの位置でFKを獲得。ゴールまでかなり距離があったが、本田が構わず直接狙う。左足から放たれた無回転シュートはGKの手をかすめてクロスバーを直撃。スタジアムをどよめかせたが、惜しくも先制点とはならなかった。

 前半35分、日本をアクシデントが襲う。森本が接触プレーで腰を痛めたか、苦悶の表情でピッチを離れると、メディカルスタッフが状態を確認。ベンチに「×」印が示され、急きょ交代を余儀なくされた。代わって登場したのはFW前田遼一。前半37分、思わぬ形で最初の交代カードを切った。

 スコアレスのまま嫌なムードも漂う中、そんな雰囲気を一掃したのは、頼れる背番号10だった。長谷部が本田にくさびを入れると、本田がつぶされながら落としたボールを長谷部が自らフォロー。そのままドリブルで中央を駆け上がり、左サイドにスルーパスを通す。PA内左に走り込んだ香川は鋭い切り返しでDFをかわし、右足でファーサイドへ流し込んだ。GKが一歩も動けない鮮やかなシュート。国際Aマッチ30試合目の出場で10点目となる香川の先制点で日本がリードを奪い、前半を折り返した。

 日本はハーフタイムに2人を交代。長谷部とDF内田篤人に代えてMF高橋秀人、DF酒井宏樹を投入し、高橋、酒井ともにA代表デビューとなった。後半13分には本田のスルーパスから香川が左サイドを突破。深くえぐってマイナスに折り返すと、岡崎が飛び込んだが、わずかに合わない。それでも、その直後に再び香川の突破から追加点を奪った。

 後半13分、香川が左サイドで1対1を仕掛け、DFをかわし、ファーサイドにクロス。これを本田が下がりながらヘディングで落とすと、ゴール前に詰めていた岡崎が右足で押し込んだ。高木琢也氏と並んで歴代4位タイとなる岡崎の国際Aマッチ27点目で2-0と突き放した日本は直後の後半17分、香川に代わってFW宮市亮を投入。待望の国際Aマッチデビューとなった。

 宮市は後半28分、左サイドから中に切り返し、右足でミドルシュート。積極的にゴールを狙ったが、GKのセーブに阻まれた。日本は同29分、本田に代えてMF中村憲剛を投入。同31分には左サイドを突破した宮市のクロスに岡崎がヘディングで合わせたが、ゴール上に浮いた。

 後半37分には相手FKがポストに当たるなどヒヤリとする場面もあったが、栗原、伊野波を中心にした守備陣もアゼルバイジャンの反撃を無失点に抑える。後半42分には伊野波に代わってDF槙野智章が入ったが、そのまま2-0で勝利。海外組のコンディションや新戦力のチェックという重要なテーマもクリアし、W杯アジア最終予選初戦となる6月3日のオマーン戦に向けて弾みを付けた。

(取材・文 西山紘平)

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試合後の選手コメント
試合後の監督会見要旨

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