beacon

柏3連勝!「レイソルのことを頼みます」と旅立つ北嶋に惜別の勝利!

このエントリーをはてなブックマークに追加
[5.26 J1第13節 柏2-0新潟 柏]

 J1第13節の暫定15位・柏レイソルアルビレックス新潟戦はホームの柏が2-0で勝利。柏が3連勝としたのに対し、新潟は2連敗となった。

 4-4-2システムの柏はGK菅野孝憲。4バックは右からW杯アジア最終予選日本代表DF酒井宏樹、増嶋竜也、近藤直也、那須大亮。中盤中央に大谷秀和と茨田陽生が入り、右MFがレアンドロ・ドミンゲスで、左MFがジョルジ・ワグネル。2トップは田中順也と工藤壮人が務めた。

 一方、21日に辞任した黒崎久志監督に代わり、前新潟ユース監督の上野展裕ヘッドコーチが指揮を執る新潟はU-23日本代表DF鈴木大輔がトゥーロン国際大会出場のために不在。4-4-2システムのGKは東口順昭で、4バックは右から村上佑介、大井健太郎、石川直樹、菊地直哉。中盤は三門雄大と本間勲のダブルボランチで右サイドに藤田征也、左サイドに田中亜土夢を配置。2トップは矢野貴章とブルーノ・ロペスがコンビを組んだ。

 後半41分に貴重な2点目を決めた柏MF澤昌克が「みんな同じ思いで戦ったので本当に勝てて良かった」と喜んだ大きな一勝。熊本へ旅立つ“柏の象徴”へ、チームメートたちが惜別の勝利をプレゼントした。柏は前日25日に在籍13年目のFW北嶋秀朗の熊本移籍(今季終了までの期限付き)を発表。昨年、9得点を記録するなど抜群の存在感でチームを引っ張り、J1王者へ導いたリーダーのために誰もが身体を張り、スタンドから見守る北嶋に勝利を届けようと必死だった。

 チームメートたちの力強い戦いぶりを目に焼き付けた北嶋は試合後「ボクは柏レイソルのこともサポーターのことも大好きです。でも、みんなでやってきたことを自分の一番大切な保管する場所に保管して、前に向かって頑張っていきます。サポーターのみんなも、チームメートのみんなも、レイソルのことを頼みます」と挨拶。北嶋自身もサポーターもその移籍を残念がっていたが、J1王者は背番号9から自信を持って後を託されるほど状態を上げてきている。

 初挑戦しているACLとの過密日程も影響してか、なかなか内容が向上しなかった今季リーグ戦は、前節のC大阪戦(19日)勝利でようやく初の連勝。15日にはACL決勝トーナメント進出を懸けた全北現代(韓国)戦も2-0で勝利を収めるなど「強い柏」を取り戻してきている。

 この日は大谷と茨田が中盤でしっかりとバランスを取り、近藤、増嶋の両CBも安定。カウンターから再三レアンドロ・ドミンゲスが迎えた決定機は新潟GK東口のビッグセーブの前に阻まれていたものの、しっかりと2点を奪って勝ち点3を獲得した。

 前半32分の先制点はセットプレーから。レアンドロ・ドミンゲスの右FKはニアサイドのDFに弾かれたものの、ゴールエリアへ飛んだセカンドボールに増嶋と工藤が反応する。新潟は矢野と東口がクリアしようとするが、4選手が競り合ってこぼれたボールはゴールラインを越えた。

 この後、前半43分に田中のスルーパスからレアンドロ・ドミンゲスがGKと1対1となり、後半33分に酒井のラストパスからレアンドロ・ドミンゲスが抜け出すなどカウンターからビッグチャンスをつくり続けた柏は後半41分、再びカウンターから右サイドを駆け上がったジョルジ・ワグネルが中央へスルーパス。素晴らしい加速でDFを置き去りにした交代出場の澤が、右足でダメ押しの2点目を決めた。これでチームは公式戦4連勝。30日には蔚山現代(韓国)とのACL決勝トーナメント1回戦を控えるが、この難関も必ず突破する。

 一方、前節磐田に6点を献上した新潟は好守を連発した東口中心に守備を立て直した。また攻撃面では試合開始直後の前半2分にブルーノ・ロペスがファーストシュートを放ち、11分には中盤から思い切った飛び出しを見せた三門が左足を振りぬく。また、36分には左サイドから藤田の放った右足FKがゴールを捉えた。王者撃破で巻き返しへの第一歩を踏み出そうという姿勢を見せた新潟は、後半10分にも右サイドを打開した藤田のクロスから田中が決定的なヘディングシュート。14分にも右CKから仕掛けた田中の左足シュートがゴールマウスを叩く。そして0-1の後半21分に新人FW鈴木武蔵、同37分にはMF金永根を投入するなど、何とか勝ち点を勝ち取ろうと戦ったが、柏の堅い守りの前に1点を奪うことができなかった。

 それでも上野ヘッドコーチは「選手は積極的な気持ちを見せてくれた」と前向き。W杯予選に伴う中断期間にしっかりと課題を修正してリスタートする。

TOP