beacon

古巣との対戦を振り返る湘南・島村「負けなくてよかった」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[5.27 J2第16節 湘南0-0徳島 BMWス]

 誰よりも燃えていた。湘南ベルマーレのDF島村毅は昨季、期限付き移籍で在籍した徳島ヴォルティスとの対戦を待ち望んでいた。「この試合に向けてモチベーションは高かったですし、特にこの1週間は試合にも出たいということでアピールを続けてきました。使ってくれた監督に感謝しています」と3試合ぶりのスタメン出場を喜んだ。

 湘南はレギュラーを固定せず、試合によって出場選手が変わる。「対戦相手にもよるだろうし、チーム内の競争もあります。毎試合、僕らは準備をするだけなので。こうやって、高いモチベーションのところで試合に出してもらえたので、期待に応えたかったのですが、最低限の引き分けという結果に終わったので、次につなげたい」と振り返った。

 とはいえ、試合は簡単なものではなかった。3バックの右で試合を始めたが、前半42分には中央に入っていたDF遠藤航が負傷で交代を強いられる。後半14分にはDF大野和成が2度目の警告を受けて退場となったことで、左CBに回ることになった。顔ぶれ、ポジションが変わる中でも、島村は落ち着いたプレーを見せた。「津田(知宏)とドウグラスは昨年もやっていましたし、特徴が分かっていたのでやりやすい部分はあった」と振り返る。後半のロスタイムにもドリブルを仕掛けてきたFWキム・ジョンミンを鋭いタックルで止めるなど、湘南にとって9試合ぶりとなる無失点試合に大きく貢献した。

 昨シーズン、徳島では主にSBとしてプレーし、25試合に出場し5得点を挙げている。今シーズンの湘南では3バックの一角を務めるが、昨季の経験が生きていると言う。

「(今季の3バックの左右は)SBの要素もありつつ、CBの要素もあるので、まだまだレベルアップしないといけません。カバーするエリアも広いですし。もともとCBをやっていて、徳島で1年間SBをやった経験は確実にプラスになっています」

 今季もすでに2得点を挙げているDFは、セットプレーの場面では得点を狙いに攻め上がったが、残念ながらシュートを打てずに終わった。「今日も狙っていたのですが、なかなかチャンスがなかったですね。最後は負けなくてよかったという試合になってしまったので」と悔しがった。

 今シーズンの序盤戦、湘南は9試合を終えて8勝1敗で首位に立っていた。しかし、それ以降は勝ち星に見放され、徳島戦でも0-0とスコアレスドローに終わっている。勝てなくなった要因は、どこにあると考えているのか。

「相手が研究してきていることもあるでしょうし、僕たちが勝ち点を取れなくて慎重になっている部分もあると思います。もう一回、みんなで話してチャレンジすることを忘れず、積極的に、攻撃的に行くことがうちのスタイル。それが出せるようにしたい」と語った。

 この試合でも、3バックを高く保ち、全体をコンパクトにすることを意識したという。「開幕直後はできていたようなことも、曖昧になってきていました。今、勝てていないから、全員で再確認しています。ラインを上げて、そのまま全体をコンパクトに保ってボールを奪って素早く攻めるのがチームの狙い。DFでリズムをつくってカウンターを狙えるようにトレーニングからやっていきたい」と言い、「そろそろ結果が欲しいので、次、また頑張りたいです」と、次節の北九州戦に気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)

TOP