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鹿島にとっては後味の悪い試合…柏がロスタイムに追いつきドロー

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[6.23 J1第15節 柏1-1鹿島 柏]

 リーグ戦4連勝中の柏レイソルがホームで鹿島アントラーズと対戦した。ハノーファー96への移籍が決まっているDF酒井宏樹とっては日立台ラストゲームとなった一戦。試合は後半5分にMF小笠原満男のゴールで鹿島が先制に成功したが、後半ロスタイムにDF近藤直也が同点ゴールを奪い、1-1のドローに終わった。だが試合後は主審の判定に対して不満の残る鹿島サポーターから大ブーイングが起こるなど、後味の悪い試合となってしまった。

 出場停止でDFラインの変更を余儀なくされた両チーム。柏は出場停止のDF増嶋竜也に代わってDFクォン・ハンジンを公式戦初出場させた。対する鹿島はDF新井場徹が出場停止。代わってMF青木剛を左SBで起用した。またこの試合のレフェリーは「審判員交流研修プログラム」でパラグアイから派遣されているアントニオ・アリアス主審が笛を吹いた。

 前半から柏ペースで試合は進んだ。だが先制点は劣勢をしのいだ鹿島に生まれた。後半5分、小笠原が中央でボールを受けると、左足一閃、鮮やかなミドルシュートを突き刺した。その後も鹿島はGK曽ヶ端準を中心に柏の攻撃を跳ね返し続ける。逆に後半ロスタイム、カウンターからFW大迫勇也がGK菅野孝憲をかわしてシュート。これはMF茨田陽生に懸命のスライディングでかき出されたが、このまま1-0で試合は終わるかと思われた。

 だがここから鹿島にとっては悪夢の時間となる。PA内のMFジョルジ・ワグネルにボールが渡ると、カットにいったDF西大伍の腕に当たってしまい、柏にPKを与えてしまう。終了間際の痛恨プレー。だが問題はここからだった。FWレアンドロ・ドミンゲスの蹴ったPKは曽ヶ端が右に飛びセーブ。ボールはポストに当たり跳ね返ると、FW林陵平がゴール前に詰める。そこに小笠原が後ろからスライディングしてしまい、林を倒してしまう。しかし笛は鳴らず、さらに後ろから詰めた近藤が押し込んで同点となった。鹿島は小笠原のプレーで副審が旗を上げたとしてプレーを止めてしまった隙を突かれた。

 納得のいかない鹿島にも最後にセットプレーのチャンスが訪れる。だが右サイドからのFKを小笠原がゴール前に蹴り入れると、ファーサイドでDF山村和也と林が競り合うが、シュートまで持ち込めず。クリアされた時点で試合終了となった。だが競り合った際、林にハンドがあったとして鹿島イレブンは主審に猛アピール。しかし主張は認められず、そのまま1-1のドローで終了した。

 ジョルジーニョ監督も顔を紅潮させながら大声を張り上げた。試合後のインタビューでは平静を装っていたが、「勝利に値するプレーは出来た。アンフェアな結果になった」と憮然とした表情を浮かべた。

 一方、シュート22本を浴びせるなど、鹿島ゴールにせまり続けた柏。結果的には最後の最後でドローに持ち込んだ形となったが、試合後ネルシーニョ監督は「我々は一生懸命プレーした。最後のプレーは我々への"戦利品"ではないかと思う」と冷静に振り返っていた。

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