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先制点のF東京・長谷川「綺麗に決まって良かった」

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[6.23 J1第15節 F東京 2-0 C大阪 味スタ]

「最高です!!」 後半15分、FC東京の先制点を決めたMF長谷川アーリアジャスールは、試合後のインタビューの第一声で、そう叫んだ。前節、「成長した姿を見せたい」と気持ちを込めて臨んだ古巣の横浜FM戦では、今シーズン最低と言っていい内容で、0-1で敗れていた。このC大阪戦は、仕切り直しの一戦となるだけに、どうしても負けられなかった。

 得点の場面、ボールを受けた長谷川は、まず「ワンツーすることを考えた」と言う。しかし、パスを出せる状況にはなかったため、目の前のDFをかわして、左足でシュートを打った。ボールは韓国代表GKキム・ジンヒョンの指先を抜け、ゴールネットを揺らした。「綺麗に決まって良かった」と、長谷川はリーグ戦では2節の名古屋戦(3-2)以来となる今季2点目を喜んだ。

 先制点の直前、F東京にアクシデントが起きていた。後半13分、トップ下に入っていたMF梶山陽平が右ふくらはぎを負傷し、ベンチに退いた。ポポヴィッチ監督は、MF米本拓司をボランチに送り込み、長谷川を1つ前のトップ下にスライドさせていた。

「ポジションがどこでも、自分のプレーは変わりません」と長谷川は言う。実際に守備面では、ボランチのときと同じように積極的にプレスを掛け、攻撃を組み立てようとするC大阪の選手たちに簡単にパスをつながせなかった。同時に、攻撃面では新たな動きを前線に加えていた。

「トップ下に入ったらルーコンをサポートすること、あとは裏に飛び出すことは意識していました。カジ(梶山)くんがいつも言われていたことでしたし、得点に絡むことが求められていた中で、それができて良かった」

 DF森重真人も「(梶山が)いなくなってからも点を取ることができた。誰が出てもやることは変わらないですし、質も変わらない。それはチームの強みだと思っている」と胸を張った。ケガ人が続出しているチームにとって、中盤のマルチロールは不可欠な存在となる。

 だからこそ、後半37分には一瞬、スタジアムが氷付いた。相手の最終ラインにプレスを掛けに行ったとき、足を滑らせて転倒した長谷川が、しばらく立ち上がることができなかったからだ。そのまま途中交代したが、今後には影響がないようだ。「足が吊っただけなので大丈夫です」と笑顔を見せ「しっかりご飯を食べて、休んで、すぐに次の試合があるので、良いコンディションで臨みたいです」と続け、4日後に控える柏戦には問題ないと強調した。

(取材・文 河合拓)

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