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F東京・GK権田「同じ相手に2回負けたらダメ」

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[6.27 J1第9節 F東京 0-1 柏 国立]

 富士ゼロックス・スーパー杯(1-2)に続き、またしても昨季のJ王者の壁を破れなかった。試合後、ポポヴィッチ監督は「攻撃的なサッカー、主導権を握ろうとする姿を90分間、見せ続けたと思っています。今日の選手たちを責めることはできません」と、0-1で敗れたチームをかばった。

 前半、相手より多くのチャンスをつくったF東京だが、前半ロスタイムに失点を喫してしまう。後半も柏ゴールを目指したが、最後まで得点は挙げられなかった。MF梶山陽平、MF羽生直剛、MF石川直宏、DF太田宏介といった主力選手を欠いたチームは、思うように前線へボールを運べずに、今季ホームゲームで3度目となる無得点で90分を終えた。

 ここ数試合、決定的ピンチを何度も防いできたGK権田修一は、前半ロスタイムに喫した失点の場面でも、DF近藤直也のシュートを一度は防いでいる。しかし、弾いたボールがDF増嶋竜也の前に転がり、押し込まれた。失点を悔やむ権田は、チームの現在地を把握できたと語る。

「今のオレらの力がそこまでっていうこと。うちの良さを消してくる相手に、抑えられないように努力をしないといけない。昨シーズン優勝した柏は、自分たちの良さが出せなくても、勝ちを引きずりこむとか、引き分けた結果、優勝できたと思う。僕たちも、相手が自分たちの良さを潰しに来たとき、『もう打つ手がありません』というのではダメ。優勝するためには、現状はこういう感じなんだなというのをチャンピオンとの試合で感じました」

 チームは多数のケガ人を抱えている。だが、それは言い訳にならないとも口にする。

「ケガ人がいたら勝てないなら、そこまでのチームです。ケガ人以外の選手がもっと頑張ればいい。僕は試合に出ている。全員、給料をもらっているプロの選手ですから。ケガ人がいようがいまいが、今日監督が選んだ選手がベストメンバーという意識でやらないと。出ている選手が責任感を持たないといけない」

 昨季のJ王者である柏とは、今季の公式戦初戦のゼロックス杯で戦っている。そのため、今季2回目となる公式戦での対戦だった。U-23日本代表に合流していた権田は、開幕前はチームに短期間しか帯同できていなかったため、ゼロックス杯はベンチから試合を見守っている。それでも、同じ相手と戦ったことで、ポポ体制初戦からの成長を実感できたのではないか。

「(試合に)出ているのと出ていないのでは、見え方が違うので分からない部分もありますが」と前置きをしたうえで権田は、「ゼロックスと同じような形でピンチになっている場面も、同じような形で(攻撃を)つぶされている場面もあった」と課題は変わっていないと言及した。そして、間もなく折り返しを迎えるリーグ戦では、前半戦に負けた相手に、再び負けてはいけないと言葉に力を込めた。

「根本的に同じ相手に2回負けたらダメですよね。ゼロックスはイレギュラーですけど、今回レイソルに連敗したのは、もしかしたら10回やったら10回負けちゃう状況かもしれない。もっと成長していかないと、昨年優勝したレイソルのようなクラブにはなれないんだなということは感じました」

 勝てば3位に浮上できだF東京だが、この試合に敗れて5位にとどまった。だが、落ち込んでいる暇はない。

「中2日で調子の良いジュビロと試合がある」と前を向く権田は「気持ちの部分から負けないようにやらないといけない」と、短期間での修正を誓った。

 再びACLの舞台に立つためにも、これ以上、前半戦のうちに借りをつくることも、上位と勝ち点差を離されることもできない。

(取材・文 河合拓)

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