[7.11 キリンチャレンジ杯 日本女子代表3-0オーストラリア女子代表 国立]

　3発快勝でロンドンへ!!　ロンドン五輪に出場する日本女子代表(なでしこジャパン)は11日、東京・国立競技場でオーストラリア女子代表と壮行試合を行った。前半25分、MF宮間あやのPKで先制した日本は前半ロスタイムにFW大儀見優季(旧姓・永里)が4戦連発となる追加点。後半13分にはMF澤穂希が昨年7月の女子W杯決勝以来となるゴールを決め、3-0で快勝した。チームは16日に事前キャンプ地のフランスへ出発。19日にパリでフランスと最後の強化試合を行い、翌20日に渡英し、25日のグループリーグ初戦・カナダ戦の舞台となるコベントリーで調整する。

　なでしこジャパンはDF岩清水梓が3月7日のアルガルベ杯決勝以来の代表戦復帰。6月のスウェーデン遠征は故障のため不参加だったDFリーダーが戻り、ベストメンバーで臨んだ。中盤は澤とMF阪口夢穂のダブルボランチで、右に宮間、左にMF川澄奈穂美。前線は大儀見とFW安藤梢が2トップを組んだ。
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　立ち上がりからボールポゼッションを高め、ゲームを支配するなでしこジャパン。前半4分、DF近賀ゆかりからのスルーパスに反応した大儀見が右足ダイレクトで合わせるが、GKの正面を突く。同8分には川澄が右サイドから仕掛け、DFをかわしてクロス。宮間がゴール前に飛び込んだが、ヘディングシュートはゴール左に外れた。

　防戦一方のオーストラリアも前半14分、日本のミスを突いてチャンスをつくる。日本陣内でボールを奪ったFWサイモンが左サイドを突破し、ゴール前にクロス。184cmの長身FWギルが左足で合わせたが、シュートはミートせず、GK福元美穂がキャッチした。

　ヒヤリとさせられたなでしこだが、前半25分、PA内でボールを受けた川澄がMFバットに後方から足を引っかけられ、PKを獲得。これを宮間が落ち着いてゴール左に決め、PKで先制点を奪った。

　その後もチャンスをつくり続けるが、最後の精度を欠き、なかなか追加点を奪えない。前半33分、高い位置でボールを奪った川澄が自ら持ち込み、右足ミドルを狙うもGKが好セーブ。このプレーで右CKを獲得すると、宮間のクロスに岩清水がヘディングで合わせたが、これもゴール上へ外れた。同37分には宮間が抜群の個人技でDFをかわし、右サイドからグラウンダーのクロス。しかし、ゴール前に飛び込んだ安藤、大儀見はわずかに届かず、ボールは流れていった。

　このまま1-0で前半終了かと思われた前半ロスタイム、エースストライカーの一発でリードを広げた。宮間のスルーパスに抜け出した近賀が右サイドからグラウンダーのアーリークロス。GKとDFの間を通す絶妙クロスに大儀見が滑り込みながら左足で合わせ、ゴールネットを揺らした。大儀見の代表戦4試合連続ゴールとなる追加点。なでしこが2-0とリードを広げ、前半を折り返した。

　日本はハーフタイムに3選手を交代。福元、岩清水、安藤を下げ、GK海堀あゆみ、DF矢野喬子、FW大野忍を投入した。大野は中盤の右サイドに入り、宮間が左サイド、川澄がFWにそれぞれポジションを移した。後半12分、川澄が左サイドからドリブルで仕掛け、PA内左に進入。鋭い切り返しでDFをかわし、右足を振り抜くと、DFに当たったボールは惜しくも左ポストに弾かれた。

　すると後半13分、宮間の左CKからゴール前混戦となり、こぼれ球に反応した澤が右足ダイレクトでシュート。すかさずゴールマウスに蹴り込み、試合を決定づける3点目を奪った。澤の代表戦でのゴールは昨年7月17日の女子W杯決勝・アメリカ戦で延長後半12分に決めた劇的な同点ゴール以来、約1年ぶり。3月のポルトガル遠征後、良性発作性頭位めまい症に苦しんできた澤の復活弾で3-0と突き放した。

　澤は直後の後半14分にMF田中明日菜と交代。同27分には大儀見に代わってFW丸山桂里奈、同32分には宮間に代わってFW高瀬愛実がピッチに入った。丸山が前線から激しくプレッシャーをかけるなど最後まで攻撃の手を緩めない。4点目は奪えなかったが、守備でも最後まで集中力を保ち、危なげなく逃げ切った。壮行試合で3得点の快勝を飾ったなでしこジャパン。悲願のメダル獲得を目指すロンドン五輪へ弾みを付けた。

(取材・文　西山紘平)

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