アルビレックス新潟は19日、高知県春野総合運動公園陸上競技場で神戸とプレシーズンマッチを行い、3-0で快勝した。フライブルクから復帰したFW矢野貴章は国際移籍証明書がまだ発行されていない影響もあり、欠場したが、MF小谷野顕治、MFアラン・ミネイロ、DF大井健太郎、DF金珍洙の新戦力4人が先発。G大阪から期限付きで加入したFW平井将生も後半開始から出場し、先制点を演出すると、新戦力の金珍洙が追加点を決めるなど3得点の完勝をおさめた。

　これまでの練習試合は2分1敗といまだ勝利のなかった新潟が、大型補強で注目を集める神戸を一蹴した。鹿島から完全移籍で加入した小谷野と新外国人MFアラン・ミネイロが両サイドハーフを務めた前半。右SBで先発したDF三門雄大からスルーパスを受けた小谷野のクロスにFWブルーノ・ロペスが頭で合わせるチャンスをつくるなど、試合の主導権を握る。ゴールこそ奪えなかったが、神戸にシュートを打たせることなく、前半を終えると、後半開始から前線に平井を投入。この交代策がズバリ的中した。

　後半開始2分、相手CKのカウンターから金珍洙のスルーパスにブルーノ・ロペスが左サイドを抜け出す。ゴール前の折り返しに平井が反応。ゴール正面でトラップすると、相手DFの足に当たってこぼれたボールをFWミシェウが右足アウトサイドで押し込み、先制点を奪った。

　その後もセットプレーから何度かピンチを招いたが、守備陣が粘り強く跳ね返す。DF鈴木大輔がU-23日本代表で不在で、DF千葉和彦は広島に移籍。昨季は湘南でプレーしていた大井とDF石川直樹の両CBを中心にした急造DFラインだったが、最後まで集中力を切らすことはなかった。

　すると後半23分、ハーフウェーライン付近でボールを奪った金珍洙がそのままドリブルで駆け上がり、ゴールまで約25mの距離から左足を振り抜く。弾丸ミドルがゴールネットに突き刺さり、2-0と突き放した。後半40分にはブルーノ・ロペスが自ら獲得したPKを沈め、3-0。“新旧戦力”がかみ合い、完封勝利を飾った。

　慶煕大(韓国)から今季加入した金珍洙は09年のU-17W杯、11年のU-20W杯にも出場した左SB。試合後のインタビューで「ミドルシュートは自分の持ち味だけど、今日は運がよかった」と謙遜した19歳は「プレーには満足していないけど、今日のゴールでチームの役に立ててよかった。コンディションを上げて、次のステージに臨みたい」と、3月10日の開幕戦・川崎F戦(等々力)を見据えていた。

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