beacon

ハーフタイムが分かれ目。J1昇格候補同士の戦いは新戦力が活躍した千葉に軍配

このエントリーをはてなブックマークに追加
[3.4 J2第1節 千葉2-0山形 フクアリ]

 J1復帰を目指すジェフユナイテッド千葉モンテディオ山形の開幕戦は、千葉・木山隆之監督、山形・奥野遼右監督と、いずれも今季から采配を振るう新監督同士の戦い。前半は、ほぼ攻め続けながらもシュートの精度を欠くなどリズムをつかめなかった千葉に対し、カウンターからDFラインの裏を突くロングボールでゴール前に迫る山形がペースを握りながら、0-0でハーフタイムに入った。

 試合の流れを決めたのは、両者がそれぞれ修正を試みて臨んだ後半の立ち上がりだ。「サイドチェンジを狙い、グラウンドを広く使おうと指示した」という千葉・木山監督の狙いがずばり的中する。

 1分、FW深井正樹が左サイドのタッチライン際ぎりぎりのところでスライディングしながらボールをキープし、左足のクロスをゴール前へ。これをFW藤田祥史が巧みに流し込んで先制すると、勢いに乗った千葉は同24分にもDF武田英二郎が左サイドを突破し、藤田が同じく左足で2点目を決めた。

 対する山形は、前半はルーキーMF宮阪政樹の1ボランチで4-3-3の布陣を敷いていたが、後半からMF船山祐二を一列下げてダブルボランチにし、千葉のクサビのボールに対してのケアを強めた。ところが、サイド攻撃へと狙いを変えてきた相手に対応しきれず、2失点を喫した。

 シュート数は千葉の15本に対して5本。相手より回数の多かったセットプレーのチャンスから反撃をしたかったところだが、1点を返すというムードよりも相手の3点目を防ぐことで精一杯となり、奥野監督は「敗因は相手の動きが素晴らしかったこと」と千葉をほめるしかなかった。

 とはいえ、今シーズンは文字通り始まったばかり。「この後ようやく山形に戻れる。今日は次につながる試合だった」(奥野監督)「今日は勝ち点3を取ったけど、それを積み重ねていかないといけない」(木山監督)。新指揮官たちが長い戦いをそれぞれしっかりと見つめる開幕戦だった。

(取材・文 矢内由美子)

TOP