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日中王者対決はスコアレス、柏は公式戦2試合連続の無得点

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[4.4 ACL第3節 柏0-0広州恒大 柏]

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は4日、グループリーグ第3節を行い、H組の柏レイソルはホームで広州恒大(中国)と対戦した。昨季のJリーグ王者と中国スーパーリーグ(CSL)の覇者が激突した一戦は0-0のスコアレスドロー。柏は公式戦2試合連続の無得点に終わり、ホームで勝利を逃す結果となった。

 柏は今季から加入したDF福井諒司が左SBで移籍後初出場初先発。3月31日のJ1磐田戦(0-1)は控えだったDF増嶋竜也、MFジョルジ・ワグネルが公式戦2試合ぶりに先発復帰し、CBは増嶋とDF近藤直也のコンビとなった。
 広州は4-3-3のシステムで、フルミネンセ時代にはブラジル全国選手権MVPにも選ばれたアルゼンチン人MFダリオ・コンカがトップ下を務めた。3トップの左はFWムリチ、中央はFWクレオのブラジル人コンビ。右のFWガオ・リンを含め中国代表歴のある選手がズラリと並んだ。
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 試合は異様な雰囲気の中で行われた。10年2月に大手不動産会社の「恒大房産」がスポンサーとなってから圧倒的な資金力を武器に次々と大物選手を獲得し、昨季、1部昇格初年度で初優勝を飾るなど急成長を続ける広州。この日はアウェー戦ながら、クラブが観戦チケットや応援で着用するレプリカTシャツなどを用意して日本在住の中国人留学生を動員。ゴール裏は真っ赤な“広州サポーター”で埋め尽くされた。

 普段のACLとはまったく異なる熱気に包まれ、広州の選手たちは積極的な立ち上がりを見せた。前半2分、コンカのスルーパスにクレオが反応。こぼれ球をガオ・リンが狙った。同6分にもコンカの左クロスから増嶋のクリアが弱くなったセカンドボールを左SBのスン・シアンが左足でループシュート。立て続けにヒヤリとさせられたが、シュートは枠を外れた。

 相手の勢いに押されたか、なかなかリズムをつかめない柏。高い位置からのプレッシャーに苦しみ、自陣に押し込まれる時間が続いた。前半13分、MFレアンドロ・ドミンゲスのスルーパスからDF酒井宏樹が抜け出し、ゴール前にクロス。こぼれ球をレアンドロが左足で狙うも、DFのブロックに阻まれた。同24分にも酒井の右クロスをFW田中順也が頭で落とし、ジョルジが右足ボレー。右サイドのレアンドロ、酒井のコンビが奮闘したが、FW工藤壮人が再三オフサイドを取られるなど、最後まで乗り切れないまま前半の45分を終えた。

 後半に入ると、クレオとムリチが2トップ気味になって、さらに圧力を強める広州攻撃陣に対し、柏守備陣も手を焼きながら粘り強く対応。最後のところは体を張って耐え続けた。後半14分にはコンカが右サイドに展開したボールを右SBのチョ・ウォンヒが折り返し、逆サイドのガオ・リンが鋭い切り返しから左足でシュート。決定的な場面だったが、ゴール寸前でDFがブロックし、CKに逃れた。

 ホームで勝ち点3が欲しい柏だが、なかなか攻撃の糸口を見つけられない。後半21分には田中に代えてMF茨田陽生を投入。茨田がトップ下に入る4-2-3-1にシステムを変更すると、同28分からは工藤に代わってFWリカルド・ロボがピッチに入った。

 終盤は互いに攻め合うオープンな展開となったが、両チームともに決め手を欠いた。広州は後半32分、横パスを受けたクレオがPA内から右足で狙うが、シュートはミートし切れず、DFがブロック。柏も同33分、酒井の右クロスにロボがニアサイドで合わせたが、ヘディングシュートはゴール左へ。同36分にはジョルジの左クロスがファーサイドでフリーのロボまで流れてきたが、右足で捉えたボールは枠を外れた。

 結局、試合は0-0のまま終了。ここまで1勝1敗同士の両チームの対戦は勝ち点1を分け合う結果となり、柏がグループ全体での総得点の差で2位をキープした。両チームは次節17日に、今度は広州のホームで対戦する。

(取材・文 西山紘平)

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