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浦和戦に続き、数的優位を生かせない川崎F。「問題がある証拠」とMF柴崎

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[4.8J1第5節 川崎F0-1F東京 等々力]

 後半開始早々に数的優位に立った川崎フロンターレだったが、数字上の優位を生かせずに無得点。逆に終了間際、DF森重真人にヘディングからゴールを決められ、0-1で2年ぶりの多摩川クラシコに敗れた。

 攻撃面で大きな課題を残すことになった。MF柴崎晃誠は「浦和戦でも相手は2人少なかったし、今日も一人少ないのに勝てなかった。問題のある証拠」と悔しさを露わにした。得点機をつくりながら、生かせなかった決定力不足だけではない。攻撃のバリエーションも乏しかった。前半、川崎Fがつくったチャンスの多くは、相手の高いラインの背後をとったものだった。22分、MF中村憲剛からFWレナトへスルーパスが通り、CKを獲得する。同31分にもMF田坂祐介のパスからMF小林悠が抜け出してシュートを放つなど、高い相手の最終ラインの裏を突いていた。

 だが、後半の立ち上がりに数的優位を得てからは、攻めあぐねる場面も増えた。「向こうは一人減って、しっかり守備を固めてきた。それまではラインが高くて裏を取れる場面もあったが、一人少なくなってからは(裏を取ることが)難しくなった」とFW矢島卓郎は唇を噛む。中村も「相手の人数が一人少なくなって、うちに流れが傾いた、でも、数的不利になった戦いを向こうにうまくやられた。そういうゲームだったと思います」と数的優位を得てからの試合運びを悔やんだ。

 もちろん、後半にチャンスをつくれなかったわけではない。同12分には左サイドをオーバーラップしたDF小宮山尊信のクロスから、實藤友紀がヘディングを放った。同23分にも中村を起点とした攻撃から、MF小林悠が決定的なシュートを放つなど、決定機をつくり出した。それらの決定機で「決めないことには話にならない」と言う中村は、同時に相手を崩す段階での問題も感じていた。

「攻撃のときに中央に寄り過ぎていた。もう少しサイドを使ってからだと、中をつり出しやすい。相手の守備を広げてから縦パスを入れたかったし、そのためにも2回くらいサイドチェンジができていればよかった。誰が外に行くのかあやふやだった」と反省する。実際に後半は小林、田坂の両SHも中央でプレーする機会が増えた。そのとき、後半12分の場面のように、SHが空けたスペースをSBが使うことができれば良かったが、その回数も多くはなかった。

 最後尾から見ていたGK西部洋平も「後ろから見ていて相手を引き出すパス回しをしないと厳しいかなと思っていました。相手が守りやすい状況になっていたと思う」と中村に同調し、「前の選手たちが奮起することを願うだけです」と語った。

「1点取れれば、流れは変わると思う。そのために(チャンスの)回数を増やしたい」と相馬直樹監督。5節を終えて、3ゴールしか挙げていない攻撃陣を立て直し、次節・敵地でのG大阪戦に臨む。

(取材・文 河合 拓)

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