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移籍後初先発の柏・藤田が同点アシストも「今から行くぞというときに…」

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[4.14 J1第6節 柏2-3仙台 柏]

 移籍後初アシストも結果には結びつかなかった。柏レイソルは離脱中のDF橋本和、DF福井諒司に代わってDF藤田優人が左SBで移籍後初先発。昨季は横浜FMからの期限付き移籍で横浜FCで34試合に出場していた藤田だが、J1で先発したのは横浜FM時代の10年最終節以来、2シーズンぶり。1-2の後半21分には左クロスで同点ゴールをアシストしたが、チームは同33分に3失点目を喫し、2-3で競り負けた。

 豊富な運動量で左サイドを上下動し、後半8分にはセットプレーの流れからMFレアンドロ・ドミンゲスの左クロスのこぼれ球を右足ミドルで狙った。強烈な弾丸シュートは惜しくもGKの正面を突いたが、積極的なプレーで持ち味を発揮した。

 後半21分にはMF栗澤僚一からパスを受け、左サイドから縦に仕掛ける。ゴールラインぎりぎりから折り返したボールをファーサイドのレアンドロが角度のない位置から右足ダイレクトでシュート。ボールはGKの股間を抜け、ゴールネットを揺らした。

「(仙台守備陣は)中が強かったので、深くまでえぐったし、GKを越えてDFラインを動かすことを考えたボールだった。最後決めてくれたのは個人のところだけど、えぐったときはGKを越すことをいつも意識している」

 そうアシストの場面を振り返った藤田だが、試合全体を通しては悔しさが残った。「DFなので、3点取られたことには反省材料がいろいろある」。前半2分にCKから失点。後半10分に追いついたが、その1分後に再び突き放された。後半の被シュートは2本。それがいずれも失点となった。

「立ち上がりの失点はいろんな要素があると思うけど、一番は集中力。セットプレーだったし、そこはチームとして変えていかないといけない。3点とも、取られる時間、タイミングが悪かった。3点とも『今から行くぞ』というときに取られた」

 最後は後半43分にレアンドロが2枚目の警告で退場し、自滅した。集中力、決定力の差で勝ち点を逃したが、試合内容では決して負けていなかった。「何度失点しても、そこから返していこうとなるのがレイソルの強さでもあると思う」。波に乗り切れないシーズン序盤。王者が見せた反発力は、敗戦の中の光明かもしれない。

(取材・文 西山紘平)

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