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松本が千葉を下し、J初の連勝

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[4. 22 J2第9節 松本1-0千葉 松本]

 J2は22日、第9節を各地で行い、前節で熊本(3-0)に完勝して今季2勝目を挙げた松本山雅FCは、ホームに6位の千葉を迎えた。前半、後半ともに良い試合の入りを見せた松本だが、時間の推移とともに千葉に主導権を握られる。それでも、得点を許さずに千葉の攻撃を凌ぐと、後半40分にはCKの流れからDF 多々良敦斗の2試合連続となるゴールで先制する。その後もFWオーロイを投入して、パワープレーに出た千葉の攻撃を凌ぎ切り、1-0で勝利。J2昇格以降、初めての連勝を飾った。

 試合は立ち上がり、大観衆の後押しを受けるホームの松本がチャンスを得る。前半12分、FW船山貴之が千葉DFラインの裏を取り、PA内からシュートを放ったが、フィニッシュは大きく上に越えて行く。同15分にも松本はDF鐡戸裕史の攻撃参加から、ゴール前のMF喜山康平にパスをつなぐが、このシュートもゴール左へと外れて行った。

 立ち上がりに松本の勢いある攻撃を凌いだ千葉は、24分にFWレジナルドがシュートを放ち、反撃に出る。その直後にも右サイドでボールを持ったFW深井正樹の鋭いシュートが、右ポストを直撃する。攻勢を強める千葉は前半38分にもMF兵働昭弘が、強烈なシュートを放つが、体を張って守る松本DFに阻まれて、先制点は挙げられない。同40分にもレジナルドが遠目からシュートを狙ったが、枠の左に外れて得点に至らない。

 立ち上がりこそ攻勢に出た松本だが、徐々に千葉に圧倒され、前半だけで11本のシュートを浴びた。それでも得点は許さずに0-0で前半を折り返す。

 後半7分、最初に大きなチャンスを得たのは松本だった。再三、攻撃参加で良い仕事を見せる鐡戸のクロスをFW塩沢勝吾がヘッドで狙ったが、GK岡本昌弘が好セーブを見せる。その1分後にも、左の鐡戸から中央の塩沢がヘッドでゴールを狙うが、これも岡本の正面を突き、ゴールネットを揺らすことはできなかった。

 徐々にリズムを取り戻した千葉は、FW藤田祥史のポストプレーから、兵働がゴール前に侵入しようとする。ここで倒されてFKを得ると、レジナルドのシュートは壁に当たる。後半21分にはレジナルドのパスがPA内に走り込むMF伊藤大介に出るが、わずかに追いつけなかった。

 同23分には決定的なチャンスを得る。伊藤のパスをゴール前で藤田がスルー。ファーサイドでレジナルドがフリーになったが、シュートを右サイドに外してしまう。試合は追い風を受ける千葉が、一方的に攻める展開になる。それでも、ゴール前でしっかりと体を張って守る松本のDF陣も得点は許さない。同32分にもレジナルドがチャンスを得るが、シュートは力なくGK野澤洋輔にキャッチされる。

 同33分からは両チームベンチが積極的に動く。松本はFW弦巻健人を下げて、FW久木田紳吾を入れる。同時に千葉も伊藤を下げて、FW大塚翔平を入れる。さらに3分後にはレジナルドを下げて、MF田中佑昌を入れる。すると松本も38分に、塩沢を下げてFW片山真人を入れた。

 そして、再三のピンチを凌いできた松本に、歓喜の瞬間が訪れたのは、80分。CKの流れから、鐡戸の縦パスを最終ラインの裏で受けた多々良がGKの股下を抜くゴールを決めて、ホームの松本が1-0と先制する。同点ゴールを目指す千葉はFWオーロイを投入して、狙いを明確にする。このまま千葉に得点を許さず、松本はホーム2勝目を挙げ、Jに昇格後、初めての連勝を飾った。試合終了のホイッスルと同時に、ホームスタジアムのアルウィンは大歓声に包まれた。

 反町泰治監督は「劣勢になることは間違いないけれど、隙を与えないで隙を突くと言ってきました。その成果が少しは出たかなと思います。力は向こうが1枚も2枚も上、織り込み済みで粘り強くやった成果だと思います」と格上からの勝利に胸を張る。そして同時に、「まだまだ力の差は歴然としているので、その差を埋められるように頑張っていきます。自分たちのボールのときにボールが落ち着かない。プレッシャーの中でボールをコントロールできるようにトレーニングしていきたいと思います」と、今後に向けての課題も口にした。

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