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カウンター4発被弾に横浜FM上島拓巳「自分の力のなさを感じた試合」

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DF上島拓巳(右から2人目)

[9.19 ACLグループG第1節 横浜FM 2-4 仁川U 横浜国]

 仁川ユナイテッドが強みとする鋭いカウンターに対し、横浜F・マリノスの最終ラインは次々と破られた。

 4失点での敗戦後、CBとして先発したDF上島拓巳は「相手の戦い方をしっかり頭に入れた上で、自分たちが押し込む流れになることはわかっていたし、2トップのケアをすごく意識して試合に入った」と事前の想定を振り返りつつも、「個の力で持っていかれたシーンが何回もあって、それが失点に直結したり、失点しそうになったりした。自分の力のなさを感じた試合だった」と厳しく語った。

 相手が組んできた5-3-2の守備ブロックに対し、一方的にボールを握りながらも崩せなかったこの日の横浜FM。最終ラインが高い位置を取り、攻撃をサポートする姿勢も見せていたが、カウンター対応ではその前がかりな姿勢が仇になった。

 突きつけられたのは、攻撃の起点を担いながらリスク管理を続けることの難しさ。上島は「できるだけ相手FWの近くにいることは意識していたし、横浜FC戦でもカウンターでやられていたのでより意識して入ったけど、思った以上に相手がブロックを低いところで組む中で、あまりFWに近すぎると攻撃で深さを出せなかった。それでちょっとビハインドな(後ろに深い)位置を取らざるを得なかった。相手FWとの距離が離れてしまって、自分たちがクロスとか思い切ったプレーをして引っかかった時、FWに(ボールが)入ってしまうようなシーンがあった」と葛藤を明かした。

 もっとも、横浜FMのスタイルでプレーをするのであれば、自分の間合いに落とし所を見つけることが求められる。上島は「そこはバランスだと思う」とした上で「そこで深さを出したままプレーするのか、もっと相手FWの近くでプレーするのかは整理しないと。アウェーでの試合もあるので、これからの試合につなげないといけない」と改善を誓った。

 またCBの仕事にあたっては、苦しい状況で守り切れるかどうかも価値の見せ所。強さと上手さを見せたFWステファン・ムゴシャ、スピードやパワーで個人能力を見せつけたFWジェルソ・フェルナンデスやFWエルナンデス・ロドリゲスのようなタレントとの対峙は今後もアジアの舞台では起こりうる。

 上島は「9番の選手(ムゴシャ)の推進力は正直、想定以上のものだった。途中から入ってきた選手のクオリティーもすごく高いものがあって、一発で仕留める力はアジアの舞台で感じるものだった」と相手の能力を認めつつ、「自分自身『これくらいで』という部分ではなく、もっと高い基準でプレーしないといけないと感じた」と力を込めた。

(取材・文 竹内達也)
●ACL2023-24特設ページ
竹内達也
Text by 竹内達也

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