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ACL甲府、劇的同点弾でGL突破に前進! 国立に今大会最多15877人「最後の一歩が出た」

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FW宮崎純真が劇的同点ゴール

[11.29 ACLグループH第5節 甲府 3-3 メルボルン・C]

 ヴァンフォーレ甲府は後半40分の同点ゴールで追いつき、最終節に大きく希望を残す勝ち点1を掴み取った。試合後、篠田善之監督は「選手たちの頑張りと、サポーターの後押しが重要だった。選手たちも嬉しかったし、やらないといけない、負けてはいけないということで最後の一歩が出た」と今大会の日本開催最多となる15877人が集まったスタンドの雰囲気に感謝した。

 今月12日のJ2最終節で山形に敗れ、J1昇格プレーオフ出場を逃した直後のAFCチャンピオンズリーグ。長距離移動を経てきたメルボルン・シティを迎え撃った甲府だったが、立ち上がりから動きが重く、前半5分にスローインのセルフジャッジから左サイドの侵入を許すと、DFカラム・タルボットに強烈な左足シュートを突き刺され、先行される展開となった。

 その後は前半8分にセットプレーの二次攻撃からDF井上詩音がヘディングシュートを決め、同点に追いつくと、前半終了間際には井上のロングフィードにMF鳥海芳樹 が抜け出して勝ち越し。リードしてハーフタイムを迎えた。だが、後半の立ち上がりから再び押し込まれ、後半10分代に立て続けに左サイドを破られ、逆転を許した。

 それでも後半40分、最後はFWクリスティアーノのクロスからFW宮崎純真がヘディングシュートを決め、土壇場で追いついた。その結果、甲府とメルボルン・Cは共に1ポイントを積み重ねて勝ち点8。遅れてキックオフしたブリーラム・ユナイテッドが浙江FCに敗れたため、甲府は首位をキープした。敵地での最終節でブリーラム・Uに勝てば、グループリーグ突破が決定的となる状況に持ち込んだ形だ。

 試合後、記者会見に出席した篠田監督は「プレーオフに行く可能性を断たれたゲームがあって、精神的にも全員がショックを受けている中、もう一度切り替えてこの試合に臨んだ」とJ2最終節からの選手たちのリバウンドメンタリティーを賞賛。「入りに問題はあったが、ああいうゲーム展開になった時、尻すぼみで終わる可能性もあった。選手たちから鼓舞する声も聞こえてきたし、代わった選手でなんとかしよう、残った選手もフィニッシュまで持っていく、後ろの選手もカウンターを受けない、そういうことをやった結果、ゴールにボールが落ちたと思う」と宮崎の同点ゴールを振り返った。

 また「これだけ多くのサポーターに勝利を届けたかったのが一番の思いで、私も含めた足りないところがいくつか見えた」と反省点を述べつつも、ACL国立最多の15877人が集まったスタジアムの雰囲気には「ありがたい声援をいただいて、前向きに走れた」と感謝。12月12日に控える次節に向けて「最終節に可能性を残したのでまた準備していきたい」と意気込んだ。

(取材・文 竹内達也)
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竹内達也
Text by 竹内達也

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