beacon

左右SBで奮闘した浦和DF荻原拓也「1勝をホームで最後に届けるという意志統一ができていた」

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF荻原拓也

[11.29 ACLグループJ第5節 浦和 2-1 武漢 埼玉]

 右SBとして先発し、前半37分にはPKを誘発する右クロス。6分後の43分には味方のアクシデントで左SBにポジションを移し、最後までピッチを駆け抜けた。浦和レッズDF荻原拓也は、荒いプレーをゴリ押しする武漢三鎮に対してフィジカル面でも当たり負けしないたくましいプレーを随所に見せ、勝利に貢献した。

「ACLグループステージ突破とは別に、1勝を最後に届ける。そこに気持ちを持っていってプレーした結果、タフなゲームを勝ち切ることができた」(荻原)

 12月3日に控えるJリーグ最終節のコンサドーレ札幌戦は累積警告で出場停止。「自分は次のJリーグに出られない出られないというのがあって、なんとしてでも勝利を届けたかった。監督も目の前の試合に勝つというところにフォーカスして、そのマネジメントがうまくいった」。勝利の余韻に浸るように、満足感を漂わせた。

 右SBから左SBへポジションを変えたのは突発的なアクシデントが理由だった。前半43分、左SBで先発したDF大畑歩夢がピッチに座り込んで自ら交代を要求。代わりに入った関根貴大が右SBに、そして荻原が左に回った。試合の中で左から右、あるいは右から左へポジションを変えたことはこれまでにも何度かあるが、もはや何の違和感もなくすぐに切り替えが可能な様子だ。

「頭の中で整理できているのと、右でも左でも自分の強みを出すという部分は変わらないと思うし、強みの出し方も分かっている。(交代理由は)アクシデントではあったけど整理してプレーできた」。そう話すように、スムーズな切り替えが光った。

 ラフさとタフさが紙一重で入り混じっている相手に対して、フィジカルで負ける場面はなかった。「体が勝手に動くじゃないけど、対人で負けることはなかったと思う。むしろそこが勝てた要因だった」と胸を張る。

 惜しむらくは12月3日の札幌戦に出られないこと。「最後に出れないのは自分のせい。チームに迷惑をかけているので反省しないといけない」。ただ、札幌戦に出られない分、12月6日に敵地であるACLグループステージ最終節ハノイFC戦に良好なコンディションで臨めるはず。まだ可能性が残されているグループステージ突破のため、全力を注ぐつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)
●ACL2023-24特集
矢内由美子
Text by 矢内由美子

TOP