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好アシストで横浜FMをACL初4強に導いた山根陸「全員でここまで進んできた」

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MF山根陸

[3.13 ACL準々決勝第2戦 横浜FM 1-0 山東泰山 横浜国際]

 クラブの歴史に刻まれるゴールを演出した。横浜F・マリノスはクラブ初のACLベスト4進出。FWアンデルソン・ロペスの決勝ゴールをアシストしたMF山根陸は「全員でここまで進んできた。長い歴史があったと思うけど、初めてベスト4に進出できて、そのチームにいられて誇り高い」と喜びを口にした。

 第1戦を勝利したものの、ホームでの第2戦は山東泰山に苦戦を強いられた。後半早々にDF永戸勝也が2度目の警告で退場処分になると、数的不利の横浜FMは山東の猛攻を浴びた。途中出場の山根は中盤で3ボランチの一角を務めながら、攻撃のタイミングまで耐え続ける。そして後半30分、その瞬間はやってきた。

 FW宮市亮が右サイドの深い位置まで入り込み、相手2人を引き付ける。山根が空いたPA右のスペースに走り込んだ。「亮くんが本当にいいボールをくれたので、CBが釣り出てくれた」(山根)。PA右でボールを収めると、巧みな切り返しでマークを外してクロス。ファーサイドのA・ロペスがボレーを沈め、待望の先制ゴールを手にした。

 横浜FMのクラブ初となるACLベスト4進出を決めたアシストは、山根にとって日産スタジアムでの初アシストでもあった。2022シーズンに育成組織からトップ昇格を果たし、プロ3年目。ホーム初アシストには「うれしかった」と素直さを見せつつも、「より今度から多く、アシストだけじゃなくてゴールというところも多く増やしていかなければとは思う」と決意を新たにした。

 後半26分の自身へのファウル直後には、DFエドゥアルドから激しい叱咤を受けた。取材対応が試合直後のため、エドゥアルドからその理由は聞けてなかったというが「ピッチのなかで要求し合う、ただそれだけだったかなと思う」と山根は理解を示す。

 ゴールの起点を作った宮市からは「本当にいい位置に入ってきてくれた。リョウ!という声がかかった」と称えられた。山根は「黙ってやるよりかはいい。聞こえていたならよかった」と胸を張りながら「……呼び捨てしてました?」と困惑顔で笑いも誘う。プロ3年目、20歳の若武者はほんの少し貫禄を垣間見せていた。

(取材・文 石川祐介)


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石川祐介
Text by 石川祐介

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