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[MOM4382]FC東京U-18FW山口太陽(2年)_好機を逃さず2得点!! 帰って来た点取り屋が決勝へ導く

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後半13分に逆転ゴールを奪ったFC東京U-18FW山口太陽が歓喜を爆発させる

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.31 クラブユース選手権(U-18)大会準決勝 清水ユース 2-4 FC東京U-18 西が丘]

 ストライカーらしい2得点で逆転勝利に貢献した。31日に味の素フィールド西が丘で行われた日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会の準決勝で、FC東京U-18は4-2で清水エスパルスユースに快勝。FW山口太陽(2年)が、2得点を挙げた。

 前半を0-1で折り返すも、後半4分に同点に追い付くと、13分には味方のミドルシュートのこぼれ球を山口がゴールへ押し込んで2-1と逆転。さらに7分後、ショートカウンターからの連係で、最後は山口が相手を一人かわして得意の左足で追加点をたたき込んだ。相手GKに当たったボールがファーサイドでゴールラインを割るまで少し時間がかかったため「自分の特長である得意の左足に持って行けて、あとは気持ちで押し込めた。(しっかり入るかどうか)ちょっと怖かったですけど」と少し苦笑いを浮かべたが、点取り屋らしく、チャンスを逃さないプレーだった。

 山口は、U-17日本代表候補。6月に行われたAFC U-17アジアカップの代表入りを目指していた。しかし、直前の5月27日にプレミアリーグEASTの前橋育英高戦で左の鎖骨を負傷して戦線離脱。代表入りはかなわず、代表の仲間たちがアジアを制覇する喜びを映像で全試合チェックして刺激を受けた。大会開幕の1、2週間前に復帰したという山口は「悔しい思いをしたけど、クラブユースがあるのは分かっていたので、絶対にここで活躍してやるという気持ちでやってきた」と、今大会にかける思いを明かした。

 復帰戦から少しずつ調子を上げている段階で、グループリーグは無得点だった。しかし、決勝トーナメントでは、1回戦の川崎フロンターレU-18戦に続いて2度目の2得点。山口は「初戦からあまり点が取れていなかったので、ここで2ゴール取れたのは大きい」と喜んだ。

 復帰後、自信と存在感を強める、意義あるゴールだが、最前線にボールが渡れば点が生まれる、という雰囲気をチームに与えることも好影響。チームの中心としてゲームコントロールとチャンスメークを司るMF佐藤龍之介(2年)は「エースが点を取ると、チームも良い状態と感じる。決めるべき人が決めてくれた。チームとしても、太陽にとっても良かったと思う」と山口の活躍を喜んだ。

 リハビリを通して一回り大きくなって帰って来れた実感があるという山口は、食事を白米大盛1杯から2杯へ。負傷前よりも4キロ増えた体重に「ちょっと重くなっちゃいました」と話したが、スクワットなどの筋力トレーニングにより、下半身も強化。奥原崇監督は「ケガをして、かなり苦しい時期があった。その時期に食事から見直して体つくりをやって、ボールの収まりは以前より数倍上がった。まだまだ、こんなもんじゃない」と進化を続けるストライカーのポテンシャルを高く評価している。

 大会通算4得点で得点ランクは2位タイへ浮上。首位の6得点(村木輝=岡山U-18)が見えてきたが、山口は「得点は大事ですけど、チームが勝つための確率を選ぶ。その中で自分に得点が来ればいい。初戦から優勝を目指している。最善、全力を尽くして、絶対に優勝したい」とチームへの貢献とタイトル奪取にこだわりを示した。エースが点を取り、チームが勝つ。日本一をかける決勝戦で、求めていたシーンを実現できるか。帰って来たストライカーが、ゴールに迫る。

(取材・文 平野貴也)

●【特設】第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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