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G大阪が16年ぶりクラブユース日本一!! 大会MVPは1年生GK荒木琉偉「大事なところで止められるキーパーに」

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チームメートと歓喜を爆発させるGK荒木琉偉(1年)

[8.2 日本クラブユース選手権決勝 FC東京U-18 3-3(PK4-5) G大阪ユース 味フィ西]

 16年ぶりに日本クラブユース選手権を制したガンバ大阪ユースを最後尾で支えたのは、弱冠15歳のルーキーGK荒木琉偉(1年)だった。決勝戦では3失点を喫して課題も突きつけられる形となったが、その後はしっかり立て直してPK戦で1本ストップ。悪い流れを引きずらないメンタルでタイトルを手繰り寄せ、大会公式のMVPにも選出された。

 3-3で決着がつかずに迎えたPK戦。先攻のFC東京U-18は1人目が枠を外したことで、優位に立ったG大阪だったが、4人目のキッカーが失敗し、嫌な流れが漂い始める。しかし、そこでチームを救ったのがルーキーにして191cmの長身と風格を兼ね備える荒木だった。

「PKになってしまったからには自分が止めてヒーローになるぞという気持ちで向かった」。佐野智之GKコーチから授けられた「ギリギリまで我慢して飛べば、お前やったら止められるから」とのアドバイスを胸に左へ飛ぶと、完璧なセーブでシュートを阻止。決めれば勝利という状況に持ち込んだ。

 その後は荒木とU-17日本代表のチームメートにあたるFC東京U-18のGK後藤亘も譲らず、G大阪の5人目も止められ、同点でサドンデスに持ち込まれる。だが、荒木が一つ止めたことで相手のプレッシャーが増したか、最後は相手の7人目のキックが枠を外れ、荒木は日本一の歓喜を味わった。

「今大会、毎試合チームとしてみんなすごく成長できて、いい大会だった。でも改善点もいっぱい見つかったので、もっといいチームになれるように頑張りたい」。自身も相手CKに飛び出しながら届かなかった2失点目、勝ち越し直後に追いつかれた後半ラストプレーの3失点目に悔いを残したが、この課題を今後の糧にしていくつもりだ。

「ガンバのサッカーはどんどんビルドアップでボールに関わったほうがチームが楽になるので関われるくらい足もと(の技術)をつけたいし、大事なところで止められるキーパーになりたい」

 その目線の先には、後藤とのポジション争いになるであろう11月開幕のU-17W杯も控えている。荒木は今年6月のU17アジア杯で唯一の出場なし。夏の連戦の課題と成果を手に「亘くんもすごい上手いし、そこに勝っていけるようなキーパーになれるように頑張りたい」とさらなる成長を誓った。

(取材・文 竹内達也)
●【特設】第47回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

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