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J20周年記念試合はFW興梠の逆転弾などで浦和が鹿島に勝利!

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[5.11 J1第11節 浦和3-1鹿島 埼玉]

 J1は11日に各地で第11節を行い、4位の浦和レッズはホームで3位の鹿島アントラーズと対戦した。Jリーグ20thアニバーサリーマッチと銘打たれた一戦は、後半に入って動く。後半18分に鹿島が2試合ぶりの先発出場となったMF野沢拓也のゴールで先制すると、その3分後には浦和もCKからDF那須大亮がヘディングシュートを決めて同点に追い付く。さらに浦和は同33分、FW興梠慎三が昨季まで所属していた古巣から、逆転ゴールを挙げた。同44分にもMF梅崎司が追加点を挙げた浦和は、メモリアルマッチを3-1で制して3位に浮上している。

 浦和は前節のC大阪戦(2-2)から2人を変更している。ボランチに阿部勇樹が入り、柏木陽介がトップ下に戻った。また、原口元気もトップ下で先発している。一方の鹿島も前節の湘南戦(1-0)から2人を変更。最終ラインの左に中田浩二を起用し、中盤には本山雅志に代わり、野沢拓也が先発起用された。
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 両チームが持ち味を出し合う中で、よりシュートを多く放ったのは鹿島だった。前半7分には波状攻撃を見せ、野沢のシュートをGK加藤順大が弾いたところにFW大迫勇也が詰めたが、その前に那須大亮にクリアーされる。一方の浦和もボールを保持し、右サイドに展開、MF平川忠亮のクロスからチャンスをつくった。同14分には平川からのクロスをPA内で受けたMF柏木陽介がシュートしたが、ボールはGK曽ヶ端準に抑えられた。23分に鹿島は野沢の縦パスを大迫がPA内で受け、MF小笠原満男にパス。小笠原がシュートを放ったが、ボールはGK加藤の正面に飛んだ。

 鹿島の縦パスが入ったところに対して、厳しく守備に行った浦和だが、佐藤隆治主審にことごとくファウルを取られて、なかなかリズムをつかめない。それでも30分過ぎに2度のチャンスをつくる。36分に左サイドをMF宇賀神友弥が突破し、折り返しに興梠が合わせようとしたが、DFともつれて倒れてしまう。同42分には原口の折り返しをPA内で宇賀神が受けてシュートを放ったが、ボールは右に逸れて行った。

 前半終了間際には、鹿島の2トップがシュートまで持ち込んでいる。43分には、MF柴崎岳が浦和の縦パスをカットし、FWダヴィにパス。PA内に柴崎とMFジュニーニョが走り込んでいたが、MF阿部勇樹をかわしたダヴィはシュートを選択し、右に外した。その2分後には野沢のスルーパスを受けた大迫がシュートに持ち込むが、体を張る浦和の守備に阻まれた。

 苦戦を強いられる浦和に、前半ロスタイムにアクシデントが起きる。宇賀神が相手選手との接触で負傷し、MF梅崎司との交代を余儀なくされた。この選手交代の直後、前半は終了している。

 後半の立ち上がり、浦和は左の梅崎が良いリズムをつくる。積極的にフィニッシュを放ち、鹿島ゴールを脅かしたが、後半7分のシュートはGK曽ヶ端の好セーブに阻まれた。同10分にも梅崎が簡単にゴール前にクロスを入れると、DFがクリアー。これで得たCKの流れから、こぼれ球を拾った梅崎がシュートを放ったが枠を捉えられなかった。

 後半15分には鹿島もチャンスをつくる。小笠原からのパスを受けた野沢が絶妙なタイミングでスルーパスを通す。これを大迫が受けてシュートしたが、わずかにゴール右に外れて行った。その1分後にもFKを得た鹿島は、野沢のクロスに中田がヘッドで合わせたが、こちらも枠を捉えきれなかった。

 迎えた後半18分に、鹿島が先制点を挙げる。相手DFがヘッドでクリアーしたボールを柴崎が拾うと、野沢がゴール前までボールを運んで行く。PA内で阿部をかわしてから、左足で狙いすましたシュートを放つと、これがゴールに決まって鹿島が1点をリードした。

 しかし、わずか3分後には浦和も追いつく。右CKを得ると柏木がゴール前に入れたボールを那須がヘッドで合わせ、試合を振り出しに戻した。同23分に浦和は平川に代えてMFマルシオ・リシャルデスをトップ下に起用。柏木をボランチに下げて、阿部も最終ラインの右に移し、その位置にいた森脇良太を右WBに上げている。

 選手交代した浦和は、右サイドからチャンスをつくり出す。マルシオが横パスを柏木につけると、タメをつくった柏木がDFの出てこれない位置に絶妙なスルーパスを通す。これを受けたマルシオがゴール前に低いボールを入れたが、DF青木剛にブロックされた。それでも同33分、浦和は左サイドから梅崎がクロスを入れると、これを興梠がヘッドで合わせてゴールに突き刺した。梅崎からクロスが上がった瞬間、興梠の位置はオフサイドだったが、得点は認められて浦和が逆転に成功する。

 リードされた鹿島はダヴィとジュニーニョを下げて、MF本山雅志とMF中村充孝をピッチに送り出す。浦和も38分に鈴木を下げて、MF山田暢久を起用して交代枠を使い切った。同43分には鹿島も野沢の長いFKをゴール前で大迫がヘッド。ゴール左に飛んだが、GK加藤の好セーブに阻まれた。その直後だった。前線に縦パスが入ると、これをFW興梠がキープして、原口につなげる。加速した原口は、PA外からシュート。GK曽ヶ端も好セーブを見せたが、弾かれたボールに最も早く反応した梅崎が、フワリとボールを浮かせてゴールに決め、浦和が点差を広げた。このまま浦和が3-1で逃げ切り、リーグ戦で4試合ぶりとなる勝利を飾って3位に浮上。一方の鹿島は3月30日の第4節大宮戦(1-3)以来、公式戦約1か月半ぶりの黒星で、4位に順位を下げている。

(取材・文 河合拓)

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