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柿谷と山口に刺激を受けたキャプテン長谷部

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 常連組と東アジア杯からの生き残りメンバーとの融合と競争が始まった仙台合宿の初日。キャプテン長谷部誠(ボルフスブルク)が新戦力たちの積極的な姿勢を歓迎した。

 まずは宿舎に集合した直後の昼食会場。テーブルに一人で座っていると、常連組のFW清武弘嗣(ニュルンベルク)がC大阪時代の同僚であるFW柿谷曜一朗とMF山口螢を連れてきた。

「若手の2人が空いているテーブルに座ろうとしたら、キヨが“あっちに行くぞ”と言って連れて来た。挨拶して、一緒にご飯を食べた。山口の髪型と色? そうですね、やる気を感じましたね。キヨも今までと違うキャラになっていましたね」

 練習では、新顔たちが指揮官の言葉を一句たりとも聞き逃すまいと真剣に耳を傾けている表情に「貪欲な姿勢を感じた」という。

 柿谷からは質問を受けたことも明かした。

 「『ここではボールをもらいに行った方がいいんですかね、それともトップで張っていた方がいいんですかね』というような質問を受けた。返答はすごくアバウトで『臨機応変に』と。ピッチでプレーするのは自分だから、自分が一番危険だと思ったところを意識してプレーできたらいいのではないかと思う」

 「新しい選手が入ることによって日本代表が強くなっていくことは凄くいいこと。僕個人にとっても競争は歓迎すべきこと」と生き生きとした口調で言い切るキャプテンは、コンフェデレーションズ杯で3連敗と惨敗した後、個人としてチームとして残り1年で何をすべきかを考え抜き、できる限りのことを必ずやり遂げると決めた。

 だからこそ感じていたのは、「新たな化学反応」の必要性。オフの間には日本の知人らに「このままでは頭打ちの危険がある」と漏らしていただけに、新しいメンバーとの融合や競争は願ったり叶ったりなのだ。

「ウルグアイは良いチーム。コンフェデ杯で感じた課題もあるし、いろいろなことをチャレンジしていきたい」。新鮮な気持ちを胸に、長谷部も、W杯に向けてリスタートを切った。

(取材・文 矢内由美子)

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