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[MOM1529]日大藤沢FW蛭田悠弥(3年)_ロングパス主体の展開にアクセント加えるアタッカー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.24 全国高校選手権神奈川県予選準々決勝 向上高 2-3 日大藤沢高 日大藤沢高G]

 3点差から1点差に迫られながらも向上高を振り切って準々決勝を勝った日大藤沢高で、他選手との違いを見せていたのが左FWでフル出場した蛭田悠弥だった。日大藤沢は序盤からロングパスを左右に散らし、クロスボールからゴールを狙う攻撃を展開した。しかし、背番号10の足下だけはボールの休憩所となり、攻撃にアクセントと精度を加えた。そして、蛭田はしっかりとゴールも演出した。先制点は、足下に収めて前を向いた蛭田のスルーパスから味方がPKを獲得し、蛭田が決めたもの。ショートコーナーからのクロスで生まれた2点目は、左CKを担当した蛭田のタイミングの良い判断が相手守備陣の混乱を生み出した。攻撃をけん引し、ゴールを奪って勝利へとチームを導く。佐藤輝勝監督も「前半は100点だったね」と評価するプレーぶりだった。

 満点評価が時間限定だったのは、相手に勢いを奪われた後半にチームを立て直すことができなかったからだ。蛭田も十分に心当たりがあるようで「後半の立ち上がりを注意しろと言われたのに、すぐに点を取られてチームの雰囲気、試合の流れが悪くなった。点差がついて逆に気が緩んでしまったのではないかと思う。個人的にも流れの中から点が取れなかった。ドリブルで突破できたところでもシュートを打てなかった。パスとの使い分けでもっとしっかりとチャンスメークをしたい。PKでは満足できない」と口を突くのは反省ばかりだった。

 日大藤沢は前回大会で初の全国ベスト4を経験。主将の小野寺健也、守護神の鈴木孔明、ら昨年から主力として活躍しているメンバーもいる今季は、シーズン当初から日本一を目標に掲げて来た。夏には神奈川で2位となり、全国高校総体に出場。3回戦で優勝校の東福岡高と対戦し、蛭田がゴールを決めたものの1-2で敗れた。蛭田は「自分の武器であるドリブルをさらに磨き、高校総体でも1点しか取れなかったので、自分で点を取れないと1点差のゲームを勝てないと思って得点力の向上も意識して来た。2-1(のきん差)で負けた相手が全国優勝だったので、自分たちにもチャンスはあると感じた。神奈川にも桐光学園高とか強い相手がいるけど、倒せば大きな自信を持って全国大会に臨めると思う」とさらなる勝ち上がりに自信を示した。

 強かったのは昨年だけではないことを、そして、自分にも全国レベルのプレーができることを証明するために、蛭田は満足することなく、さらに強く輝くプレーを目指す。

(取材・文 平野貴也)
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