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勝敗を分けたのは“判断力”…クイックFKで魅せた流経大柏DF近藤立都「優勝しかない」

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クイックリスタートで先制弾を導いた流通経済大柏高DF近藤立都(3年)

[1.3 全国高校選手権3回戦 日章学園高0-1流通経済大柏高 フクアリ]

 キックの精度が持ち味のレフティーが、判断力で勝利を導いた。流通経済大柏高DF近藤立都(3年)は3回戦の日章学園高戦、自慢の左足を生かしてセットプレーのキッカーを担当。球種を使い分けたロングキックでたびたびチャンスをつくったが、勝敗を分けたのは咄嗟に繰り出したクイックリスタートだった。

 この試合で唯一のスコアが入ったのは、後半27分。流経大柏は敵陣左サイドでFKを獲得すると、ボールに近づいた近藤が素早く縦に蹴り出す。これに反応したMF菊地泰智(3年)が左サイドを突破し、低いクロスを配給。相手DFと競り合いながら突進したFW加藤蓮(3年)がファーサイドで押し込んだ。

「それまでは普通にキックを上げていたんですけど、しっかりマークにつかれていて。一個動かさんと入らへんと思っていました」(近藤)。その狙いがピタリと当たり、壁の脇をすり抜けたボールに相手守備陣は反応できず。唯一、菊地だけが「打ち合わせはしなかったけど、リスタートは年間を通じてカギになるので」と反応。まさにあうんの呼吸だった。

 夏の総体では主力として優勝に貢献し、今大会でも全2試合に出場している近藤だが、選手権千葉県予選は1試合のみの出番。全国行きを決める準決勝、決勝はベンチで見守っていた。「出れへんかったときに個人を成長させたので、いま出れているんだと思います」。そんな努力の末に迎えた最後の大会に「けっこう気持ち良い。入場した時はめっちゃ気持ち良いです」とほほえんだ。

 口調からも伝わるように、もともとは西日本の生まれ。京都JマルカFC(京都府)出身で、「試合に出れへんでも成長できると思って選んだ」と流経大柏に進学した。この選手権はそんな地元・京都の友人も「応援に来てくれた」という大舞台。プレッシャーも「楽しめる」という背番号2は「優勝しかない」と夏冬連覇に向けて気合いを示した。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 竹内達也)

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