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[プレミアリーグEAST]青森山田が4発リベンジ!! 昨季王者・FC東京は4年連続の黒星発進

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3点目のゴールを決めたDF三國ケネディエブス(3年)に集まる青森山田高の選手たち

[4.8 高円宮杯プレミアEAST第1節 FC東京U-18 0-4 青森山田高 味スタ西]

 高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグEASTは8日、味の素スタジアム西競技場で、第1節2日目を行った。第2試合では昨季チャンピオンシップ王者のFC東京U-18(東京)と昨季3位の青森山田高(青森)が対戦。昨季のプレミア最終節と同カードとなった一戦は、大量4発を決めた青森山田がリベンジを果たした。

 昨年12月10日、プレミアリーグEAST最終節で相まみえた両者は、互いに優勝の可能性を残した状態で対戦した。過去3年間の対戦成績は青森山田の5戦5勝。ところが、FC東京U-18が青森山田に3-2で勝利し、“青赤軍団”がプレミアリーグ初優勝を果たした。今季の開幕戦は奇しくも、そんな因縁の一戦と同カードとなった。

 前半は球際で激しく争う流れが続いた。ロングボールを中心に攻め込んだ青森山田はFW小松慧(3年)、FW佐々木銀士(3年)が力強い空中戦を展開。とくにFC東京U-15深川出身の小松は気持ちのこもったランニングを見せ、前半31分、元同期のGK大本竜司(3年)と接触した場面では、大本のユニフォームが破れてしまう一幕もあった。

 試合が動いたのは前半43分、青森山田は右サイドからDF橋本峻弥(3年)がスローインを入れると、こぼれ球を橋本と小松がつなぎ、ダイレクトで反応した佐々木が振り向きざまに右足を一閃。低く鋭い弾道でゴール右隅に突き刺し、待望の先制点を奪った。

 さらに青森山田は後半15分、GK飯田雅浩(3年)のロングキックを佐々木がそらし、ボールはFC東京守備陣の背後に流れる。すると、いち早くボールに追い付いたのはスタメンで唯一昨季から主力を担うMF檀崎竜孔(3年)。ヘディングでPA内に走り込んで右足で流し込み、リードを2点に広げた。

 なおも青森山田は止まらない。後半18分、ゴール正面やや右寄りでFKを獲得すると、キッカーに立ったのは檀崎。ふんわりとしたボールをゴール前に蹴り込み、長身DF木村誠二(3年)に競り勝った195cmのDF三國ケネディエブス(3年)がヘディングで合わせ、勝利を決定づける3点目のゴールが決まった。

 FC東京は失点直後の後半19分、すでにJ3リーグで出場機会を得ているDFバングーナガンデ佳史扶(2年)と、昨季の高円宮杯U-15で得点王を獲得したFW青木友佑(1年)を投入し、同28分にはMF角昂志郎(1年)を起用。佐藤一樹監督の期待を背負ってピッチに立った若いメンバーは、左サイドをたびたび突破するなど存在感を放った。

 青森山田も後半43分、MF鳥海昴(3年)とともに青森山田中出身の注目MF藤原優大(1年)を投入。すると後半アディショナルタイム、右からのクロスを競り合った際に鳥海がPA内で倒されてPKを獲得する。これを檀崎が左へ蹴り込み、スコアは4-0に。そのままタイムアップのホイッスルを迎え、昨季を悔しいままに終えた青森山田が開幕白星を飾った。

 黒田監督は試合後、この一戦を「出来すぎですよ」と総括した。だが、今季のチームに手応えを感じているようで、「メンタリティー、パワー、負けん気は優勝した年のメンバーに似ている」と指摘。「高いモチベーションでバトルできるチームになれば、われわれの目指すチームができる」と期待を込めた。

 一方のFC東京は、プレミア参入を果たした2015年以降、開幕戦では4連敗。佐藤監督は「今季は早いタイミングから準備ができていたので、何も言い訳はできない」と述べ、「完全に力負け」と悔しさを露わにした。だが昨季王者には、この敗戦から立ち上がってきた歴史がある。「ここでブレずに、あるべき方向に向かっていく」と強調した。

(取材・文 竹内達也)
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