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「山雅も背負って戦っている」前橋育英FW榎本、来季加入する松本のJ2優勝翌日に選手権出場決める

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前橋育英高の松本内定FW榎本樹がDF2人を相手にボールキープ

[11.18 選手権群馬県予選決勝 前橋育英高 2-1 桐生一高 正田スタ]

 決勝前日の17日に来季加入する松本山雅FCがJ2優勝とJ1昇格を決めた。「BSが映らなくてテレビでは見れなかったんですけれども、ずっとツイッターで見ていて優勝決まって嬉しかったです」。松本から勇気を得て戦った前橋育英高のU-18日本代表FW榎本樹(3年)が、群馬5連覇と全国出場権獲得に貢献した。

 この日、前橋育英は後方からロングフィードを多用。前線の榎本の高さとFW室井彗佑(3年)の抜け出しを活用した攻撃を展開した。競り合いに強く、キープ力も高い榎本の存在は相手の驚異に。後半にはクロスからヘディングシュートを打ち込むシーンもあった。

 ただし、本人はその1本を決めきれなかったこと、また桐生一高のDF中野就斗主将(3年)とのマッチアップを制すことができなかったことを悔しがる。「決定的な仕事をするのが仕事だと思っているので全国ではしっかりと決めきれるようにしたい。(対峙した中野は)めちゃくちゃ強くて厄介だったんですけれども、きょうはあっちの勝ちだった。シュートも少なかったですし、それ以外でも負けていた。全国までに改善しなければ(全国トップクラスのDFには)勝てない」と引き締め直していた。

 昨年はインターハイで得点王を獲得し、選手権では決勝戦の後半終了間際に「優勝ゴール」。特に選手権は「いい思いしか無いので、そういう面ではいいイメージしかない」という大会だ。あの決勝点によってJリーグクラブから注目されるようになり、自身の将来を変えてくれたと感じている。その選手権の舞台で松本サポーターからもより期待されるプレーをして、再びチームの優勝に貢献するつもりだ。

 選手権へ向けて「(出場が決まり)すごく嬉しいですし、個人的にもすごく燃えているので、選手権では優勝を狙いたいです」と語った榎本は、「山雅のサポーターに応援されることもすごく増えましたし、山雅も背負って戦っているので下手な試合はできないというのがあります。(松本のサポーターには)ゴールの感覚だったり、際どいところで点を決められるところに注目して欲しい」と語った。この日は前線からの守備で相手のパスコースを限定。攻撃に移ると、上手く周囲の選手を活用するプレーを見せていたが、全国では試合を決める仕事をして松本サポーターも喜ばせる。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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