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日大明誠が総体出場の韮崎撃破!! 22年ぶり決勝進出、初の選手権まであと一つ:山梨

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2得点を奪った日大明誠高MF五十嵐圭暉(2年)

[11.2 選手権山梨県予選準決勝 韮崎高2-3日大明誠高 中銀スタ]

 第98回全国高校サッカー選手権山梨県予選準決勝が2日に行われ、第1試合で韮崎高日大明誠高が対戦。前半6分に韮崎が先制するも、同38分に日大明誠が追い付くと、後半17分と同アディショナルタイムに加点してリードを2点差に広げる。その後、韮崎の反撃を1点差に抑えて3-2の逆転勝利を収めた日大明誠が22年ぶりの決勝進出を決めた。9日の決勝で日本航空高と対戦する。

 今夏の総体出場高である韮崎を相手に日大明誠の後藤聡志監督は、「フィジカルが強い相手にしっかり競ってセカンドを意識し、セカンドボールもただはね返すだけでなく、つなごうと言っていた」と選手たちをピッチへと送り出す。前半6分にFW望月馨太(2年)のグラウンダーのクロスの流れからMF佐野太亮(3年)に蹴り込まれて韮崎に先制点を献上しようとも、「1つはあると思っていた。2つ、3つ取られないように意識させた」と決して焦ることなく試合を進めた。

 すると、トップ下に入るMF五十嵐圭暉(2年)が幾度となくスルーパスを供給してゴールに迫ろうとするだけでなく、DF西野隼人(3年)のロングスローなどセットプレーからフィニッシュに持ち込む。前半26分には西野のロングスローからDF足立和誠(3年)がヘッドで狙い、同37分にはCKの流れから決定機を生み出すがカバーに入った相手選手にライン上で2度クリアされるなど、なかなか同点に追い付くことができない。しかし、前半38分に背番号10がゴールを陥れる。西野のロングスローからFW子安魁(3年)が放ったヘディングシュートのこぼれ球を五十嵐が右足で押し込み、日大明誠が試合を振り出しに戻した。

「劣勢の展開でも流れは来ると思っていた。そこで前半のラストにチャンスを作れて、一つ取れたのは大きかった」(日大明誠・後藤監督)

 後半立ち上がりこそ、MF名執龍一(3年)やFW坂本和也(3年)、MF真壁龍輝(2年)らにシュートを放たれながらも、韮崎に勝ち越しゴールを許さずに試合を進めると、後半17分に五十嵐が再び大仕事。PA左からMF加藤友稀の折り返しを右足で合わせてネットに突き刺し、日大明誠が勝ち越しに成功した。

 その後は同点に追い付こうとする韮崎の反撃にさらされるがGK二上彰太(3年)や2CBの足立、DF齋藤康友(3年)らを中心に相手攻撃をはね返す。そして、「相手が前がかりになっていた」隙を突く。後半アディショナルタイム、五十嵐が鋭いドリブルで前線に運ぶと、逆サイドでフリーになっているFW鶴見來紀(3年)へラストパスを送ると、鶴見が左足でダメ押しゴールをゲット。80+2分にDF内田歩(3年)が放り込んだロングスローの流れから名執にゴールを奪われて韮崎に1点差に詰め寄られたものの、3-2で逃げ切った日大明誠が決勝進出を決めた。

 22年ぶりの決勝進出に「そこはあまり考えない」と語った後藤監督は、「先輩の監督さんや選手たちから引き継いできたもの。決勝にふさわしいゲームになるように良い準備をしたい」と続けると、「どちらにせよ、ウチはチャレンジャー。失うものは何もないので、挑戦者の気持ちで粘り強く戦い、隙あらば突いて全国に行けるように頑張りたい」と初の選手権出場を目指す。

(取材・文 折戸岳彦)
●【特設】高校選手権2019

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