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大一番で取り戻した「いい時の自分たち」山形MF本田は“天敵封じ”も完遂「完璧に近い試合」

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大宮FWロビン・シモヴィッチを厳しくマークした山形MF本田拓也

[12.1 J1参入プレーオフ1回戦 大宮0-2山形 NACK]

 昇格が懸かった大一番で本来の姿を取り戻した。年間順位3位だった大宮アルディージャの本拠地に乗り込んだ同6位のモンテディオ山形は、引き分けでも敗退が決まる中で2-0の完封勝ち。ボランチとしてチームをコントロールしたMF本田拓也は「正直、完璧に近い試合だった」と会心の勝利に胸を張った。

 シーズン序盤から堅守を生かして勝ち点を重ね、リーグ前半戦を首位で折り返した山形。ところが後半戦に入ると徐々に守備が乱れ、最後はぎりぎりの6位でJ1参入プレーオフ出場圏内に踏みとどまった。リーグ戦のラスト4試合の失点数は10。不安を抱えて大宮戦に臨んだが、上位を走っていた時期を思い起こさせるような戦いを演じ、3戦3勝が絶対条件の昇格に向けてまずは1勝を手にした。

 本田はチームが立ち直った要因として「球際と切り替えのところ、強度というのはすごく今日は高かった。あと前からのプレスを連動して行くところと、ラインの高さ。すごくコンパクトだったと思う」と振り返る。

 “天敵”のFWロビン・シモヴィッチ対策も効いた。8月4日にアウェーで行われた前回対戦の第26節では、199cmを誇るスウェーデン人FWの高さとテクニックに手を焼き、2ゴールを献上。試合も2-3で落とした。

「(リーグ)後半戦で大宮とやった時、シモヴィッチに(ボールを)入れられたところで強く行けなかったり、ボランチで挟めないシーンが多くて起点を作られた」(本田)

 その反省を踏まえて臨んだ今回のゲームでは、前述の通りラインを高くしてコンパクトに保ち、本田とMF中村駿のダブルボランチ、DF栗山直樹ら3バックが連動してシモヴィッチに自由を与えず。同選手がハーフタイムで途中交代すると、後半に相手のオウンゴールとFW山岸祐也の得点で2点を先行。終了まで守備の強度を維持し、無失点で試合をクローズさせた。

 勝つしかない状況で呼び覚ました“強い山形”。「6位だから良かった。自分たちはチャレンジャーで勝つしかない。逆に大宮は立場的に引き分けでもOKという方が難しいのかなと」。本田はプレーオフのレギュレーションがもたらす心理的な影響を理由に挙げ、「やっぱり負けたら終わり、点を取らないと勝てない方が結果的に良かった」と、開き直って戦えるチーム側のメリットを説いた。

 堅い守備をベースとするチームにとって、公式戦5試合ぶりにクリーンシートを達成できたことも大きい。「いい時の自分たちのサッカーができたなという感じはあるし、いい時のサッカーができれば、負けないという自信もある」。そう語る本田は、8日に敵地で開催される2回戦の徳島ヴォルティス戦に向け、「波に乗れる勝利」と手応えを示した。

(取材・文 阿部哲也)
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