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「ここでパフォーマンスを上げたら良い」。選手権メンバーも躍動の仙台育英が逆転勝ちでU-16全国3位に

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仙台育英高は選手権メンバーも活躍して3位に

[12.23 全国ルーキーリーグ交流大会3位決定戦 仙台育英高 2-1 高川学園高 時之栖うさぎ島G]

 選手権を控えたAチームの主軸も躍動した仙台育英が、3位に――。全国9地域のルーキーリーグ(U-16)の上位計16チームが優勝を争った「2019年度 ミズノ 全国ルーキーリーグ交流大会」は23日、3位決定戦を行い、仙台育英高(東北1/宮城)と高川学園高(中国2/山口)が対戦。仙台育英が2-1で逆転勝ちし、3位に入った。

 12月30日の選手権開幕まであと一週間。前回大会では選手権登録メンバーの1年生を「全国ルーキーリーグ交流大会」メンバーから外して調整に充てるチームが目立ったが、今大会は積極的に選手権メンバーを起用した仙台育英と高川学園が4強入りした。仙台育英は東福岡高などを撃破。高川学園は関東王者の前橋育英高に黒星をつけている。

 特に仙台育英はAチームでも主軸のMF島野怜やFW佐藤遼、MF明石海月を3位決定戦でも起用。「ここでパフォーマンスを上げたら良い」(城福敬監督)という理由で大会最終日もピッチに立った彼らが全国3位に貢献した。

 試合は前半4分、高川学園FW中山桂吾が反転からポスト直撃のシュート。だが、その後は仙台育英がサイドから押し込み、ゴール前のシーンを増やす。枠を捉えたシュートもあったが、高川学園は選手権メンバーのGK田代湧二が反応の良さを見せて得点を許さない。守備の時間が長くなってはいたものの、いずれも選手権メンバーの中山やFW林晴己の突破力を活用して攻め返していた。

 そして26分、高川学園は精度の高い左足を見せていたMF村上一颯が右サイドからCKを蹴り込む。これを中央に飛び込んだCB加藤寛人がヘディングシュート。いずれも選手権メンバーの2人による見事なセットプレーからの一撃で高川学園が先制した。

 0-1で前半を終えた仙台育英は後半開始から明石、佐藤、CB吉野瑛を同時投入。さらに島野やMF松本銀士もピッチに送り出して反撃の色を濃くする。明石が細かなステップのドリブルからシュートを連発。また、左SB笹谷光成の左足ミドルや島野の決定的なシュート、佐藤の鋭いドリブル突破などでゴールに迫ったが、高川学園は加藤や田代を中心にゴール前での守備対応が良く、決定的なシーンでDFがブロックするなど得点を許さない。逆に速攻から決定機も作り出していた。

 だが、仙台育英は後半33分、吉野のフィードからゴール前のコンビネーションで抜け出したFW浅野塁が殊勲の同点ゴール。城福監督も「あの1点が大きかった。良いプレーをしていた」と讃える浅野のゴールで追いついた仙台育英はさらに38分、浅野からのラストパスを受けた明石がGKの股間を狙った右足シュートを決めて逆転勝ちした。

 仙台育英は大会得点王に輝いた明石や島野、佐藤、松本、DF大塚俊輝、MF小林純太、MF中村宥太郎という選手権メンバーとサポートする側に回った選手たちが力を結束して堂々の3位。Aチームで主軸ボランチを務める長身MF島野は、「(良いプレーも多く)選手権に向けても良い状態で入れると思います。課題も見つかったので、少しの時間ですけれども、少しでも良くして(選手権に)臨みたい」と語った。

 そして、選手権の目標については「ここ2年間は2回戦を突破できていないので、2回戦を突破してそこからまた上に行ければ良いと思います。(個人としては)セットプレーはチャンスに繋がると思うので、そこで点に絡んで勝利に貢献できるように頑張ります」と宣言。今大会にモチベーション高く臨み、結果も出した1年生たちが次は選手権でも仙台育英の上位進出に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

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