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[MOM3274]出水中央MF外西海杜(3年)_鹿児島No1の努力家、圧倒的な運動量で勝利に貢献

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出水中央高MF外西海杜(3年)がハードワークで勝利に貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.5 選手権鹿児島県予選準々決勝 出水中央高 4-0 沖永良部高 吹上人工芝サッカー場]

 ゴールやアシストで目に見える結果を残したわけではない。「前の選手の良さを引き立ててくれた」と下原耕平監督が賞賛したように、誰よりも走ってチームの勝利に貢献した。

 今大会初出場初スタメン。3回戦まで出場機会を得られていなかった出水中央高MF外西海杜(3年)にとって、沖永良部高戦は自身の存在価値を示す上で重要な一戦だった。4-3-3の布陣で高い位置からプレスを掛けるためにスリーボランチの一角に抜擢されたからだ。

 積極的に高い位置からプレスを仕掛け、一度外されても簡単には諦めない。躊躇なく二度追いし、身体をぶつけてボールを奪い切る。攻撃では素早く前にパスを入れ、相手の嫌なところを突き続けた。

「今日のMVPは外西。1回戦はメンバー入りしたけど試合に出ず、2回戦はメンバー外。でも、彼はこの3年間でチームの誰よりも努力をしていた。前からプレスを掛けるゲームのために彼を取っておいた。本当に良かったと思う。ボランチの位置でプレスバックをしてボールを奪う。上手じゃないけど、鹿児島県で一番頑張れる選手」

 戦術変更によってハーフタイムで交代となったが、試合の流れを引き寄せるプレーぶりに指揮官も外西を手放しで褒めちぎった。

 昨年までAチームに絡めず、主戦場はBチーム。自身の置かれた状況を冷静に分析し、地道に努力を重ねてきた。

「下級生の頃は試合に出られるような選手ではなくて、メンバーに入ったのも3年生になってから。上手い選手ではないからこそ、運動量とハードワークは誰にも負けたくない」

 こう言い切る外西の日課は3時間の自主練習。午後5時過ぎに全体トレーニングが終わると、弱点克服のためにキックなどの基礎練習を何度も繰り返す。疲れている中で自分の身体を追い込んでいくと、自信を持っていた運動量もさらに向上した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3ヶ月ほどチームの活動が止まった際も、早朝から自宅でトレーニングを実施。階段ダッシュと3kmのランニングを行ってから学校のオンライン授業を受けていたという。

 その成果が出たのは春先の県新人戦だ。チームメートの怪我でポジションを掴むと、豊富な運動量でチームの準優勝に大きく貢献。負傷者が復帰した九州大会では途中出場が多くなったが、確かな手応えを掴んだ。

 中盤の掃除屋はチームに欠かせない。出水中央を初の選手権出場に導くべく、7日に行われる鹿児島城西との準決勝でも誰よりも汗をかく。

(取材・文 松尾祐希)
●【特設】高校選手権2020

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