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“新しい青森山田”が流経大柏に3-0、開幕6連勝。自己評価「60点」のチームはさらなる進化へ

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後半19分、青森山田高のU-18日本代表候補MF松木玖生主将が左足でゴール

[5.16 プレミアリーグEAST第6節 流通経済大柏高 0-3 青森山田高 流通経済大柏高G]

 青森山田の進撃止まらず――。16日、高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグEAST第6節で流通経済大柏高(千葉)と青森山田高(青森)が激突。アウェーの首位・青森山田が3-0で快勝し、開幕6連勝を飾った。

 青森山田が、また進化した姿を見せた。高体連のチームでプレミアリーグを制しているのは流経大柏と青森山田の2校だけ。中でも青森山田は16年と19年に優勝するなど近年は毎年のように優勝争いを演じ、今年も堂々の開幕5連勝を飾っている。一方の流経大柏は13年に高体連初のプレミア王者に輝いているものの、近年は青森山田に先を行かれる形に。“自分たちが必ず連勝を止める”という強い意志を持って、この日のホームゲームに臨んでいた。

 だが、U-18日本代表候補MF宇野禅斗(3年)が「波に飲まれるんじゃなくて、自分たちがより大きな波で飲み込むという意識で臨みました」というように、青森山田はファーストプレーから敵陣でスローインを獲得し、開始45秒にはU-18日本代表候補MF松木玖生主将(3年)の右足シュートがゴールを襲う。

 先に流れを掴んだ青森山田は16分、CKでのサインプレーから決定機を作り出す。流経大柏がロングボールの処理でバウンドさせてしまったり、簡単にロングスローの機会を与えてしまっていたのに対し、先発の半数以上が昨年から全国舞台に立つなど経験値で上回る青森山田はシュート本数やセットプレーの回数を増やしていく。

 流経大柏は意図とは異なる形でロングボールが増加。セカンドボールを青森山田に回収され、守備の時間が続く展開となった。だが21分、FW渋谷諒太主将(3年)が左サイドを個で打開し、その折り返しに走り込んだMF都築駿太(2年)が右足シュート。直後にも都築からMF松本洋汰(3年)、FW川畑優翔(3年)と細かく繋ぎ、スルーパスにFW石川裕雅(3年)が反応する。

 流経大柏は、青森山田のキーマン・宇野に狙いを定めてプレッシング。攻撃時も抜群のキープ力を見せていた川畑らがショートパスで宇野の脇のスペースを取りに行く。また、CB田口空我(3年)がエアバトルで上回り、CB萩原聖也(2年)や都築、U-17日本代表候補GKデューフエマニエル凛太朗(2年)が要所を封じる。前半飲水タイム後に主導権を握り返した流経大柏は42分、都築の展開から左の石川が縦に仕掛けてラストパス。これにMF小林恭太(3年)が走り込んだが、青森山田は松木が身体を投げ出してボールに触れるなど得点を許さない。

 今季リーグ戦5試合でわずか1失点の青森山田は、この日も“ゴールを隠す守備”を徹底。簡単にシュートを打たせず、打たれたとしても数人がかりでブロックする。また、後半は相手のクロスを対応したDFがことごとく手前でカットしてゴール前にボールを上げさせず、流経大柏のゴールの可能性を低下させていた。

 後半4分、青森山田が先制点を奪う。右スローインからFW渡邊星来(3年)が一度失いかけながらも球際で粘ると、小さなクリアをMF藤森颯太(3年)がダイレクトでクロス。ニアのDFに当たって大きく跳ね上がったボールをファーサイドのMF田澤夢積(3年)が頭で叩きつけ、ゴールを破った。

 流経大柏も9分、右の渋谷からパスを受けた川畑が振り向きざまの右足シュートで青森山田ゴールを脅かす。だが、この日は両SBが守備に追われる時間が長く、攻撃の厚みを欠いた。逆に青森山田は19分、自陣右サイドでボールを奪い返すと、藤森がスルーパス。これで渡邊が抜け出し、PKを獲得した。このPKを松木が左足で決め、今季6得点目(得点ランキング1位タイ)。流経大柏は前半から気負いすぎて運動量を増やしてしまっていたことも影響してか、失点後に奮い立つことができず、失速してしまう。それに対し、青森山田は貪欲に3点目を奪いに行く。

 宇野が松木のサポートを受ける形でインターセプトを連発。DF陣も集中力が高かった。そして、攻撃に繋げて決定機を作り出すと35分、松木の左CKをCB丸山大和(3年)が頭で右隅に流し込み、勝負を決定づけた。この後も相手を押し込んで試合を進めた青森山田がアウェーで快勝。開幕6連勝を飾った。

 対戦相手が打倒・青森山田に向かって来る中で、青森山田も進化を続けている。黒田剛監督は「(相手の分析を上回るために)体力もそうだし、シュートもそうだし、全部レベルアップしていかないといけない。この6節目から“新しい青森山田”として再構築するぞと、いうことで臨んだ流経戦だったので、みんな気持ちも入っていた」と説明。技術力、球際、運動量、セットプレーなど全てでハイレベルなチームは相手の警戒を上回るために、5cm、10cmでもプレッシャーを強め、より精度を高めるなど全てのレベルアップを目指してきた。

 この日は前半こそ苦戦したものの、立て直し、仕留める力やシュートを打たせない部分など細部で差をつけた。点差が開いても最後まで無失点で終えること、1点でも多く奪うことにこだわり、3-0で勝ち切った。相手にセットプレーを与えてしまっていたことなど反省点もあったが、指揮官が「きょうはよく頑張ったと思う」と讃える快勝。それでも、選手たちの評価は「60点くらい」と厳しい。黒田監督が「60点くらいと言っていることが次への成長につながる」と頷いたように、成長に貪欲な青森山田は足りない40点分をまた、トレーニングで積み上げていく。

 次節はこの日、試合が延期となった2位・清水エスパルスユース(静岡)との全勝対決だ。松木は「(自分たちのことを研究してくると思うが、)研究を遥かに上回るように。まずは来週の清水エスパルス戦も勝たないと、きょうの勝ちも意味がない」ときっぱり。本気で全勝優勝とさらなる成長を目指す青森山田は、また新しい姿を示して次戦も白星を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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