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ラ・リーガ会長、2強抜きでのCVCからの資金調達に…「スーパーリーグ目指すレアル・マドリーは妨害工作に必死だった」

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 ラ・リーガのハビエル・テバス会長が、CVCキャピタル・パートナーズからの資金調達が承認されたことについての感想を述べている。

 ラ・リーガは12日にクラブ会議を開き、CVCキャピタル・パートナーズからの資金調達を賛成38票、反対4票で承認。そして反対票を投じたレアル・マドリーバルセロナ、アスレティック・ビルバオ、レアル・オビエドはこの資金調達に関与しないことになり、資金調達額は最終的に27億ユーロ(約3500億円)から21億ユーロ(約2700億円)に引き下げられている。

 会議終了後に会見に出席したテバス会長は、ロスチャイルド・グループから適正な額でのオペレーションと保証を受けていた今回の資金調達について、レアル・マドリーとバルセロナが「テレビ放映権を抵当に入れる」などと主張していることに反論。2強がスーパーリーグを創設したいがために、CVCからの資金調達を妨げていたとの見解を示している。

「オーディオビジュアル権の管理については、これからもリーガが請け負う。CVCが管理するというわけではない。レアル・マドリーの言うことを真に受けていれば、そうなってしまうということだ。CVCはどんな権利も有していない。彼らはもし私たちが損をすれば一緒に損をして、私たちが成長すればそれに見合った利益を受けることになる。いずれにしろ、レアル・マドリーとバルセロナの中傷に近い不満については、もう起こることはないよ。彼らは何も受け取らず、何も失わないのだから」

「CVCは運営ではなく、生まれる結果に関与するということだ。CVCがラ・リーガに250億ユーロの価値があると見積っているのは変わっていない。しかし今、その価値に対応する27億ユーロに代わり、マドリー、バルセロナ、アスレティックらを抜いた額が投資されることになる。オペレーションの額は21億ユーロとなるね」

「私たちは影響を受けることを望まないクラブたちがそうできることでCVCと合意した。それはきっと、彼らにとってはスーパーリーグの鍵を握るのだろう。レアル・マドリーとバルセロナは、現代的かつ強大なリーグに興味がないんだ。これから法的、財政的な言い訳をするんだろうが、そういうことなんだよ」

「確かに、スーパーリーグができればラ・リーガの価値は下がってしまう。レアル・マドリーの姿勢については、間違いなくスーパーリーグと関連がある。バルサはその件について、そこまでリーダーシップを発揮しているわけではないが、とにかくレアル・マドリーにとって、今回の投資は面白くないことなんだ。フロレンティーノは以前に、ビッグクラブはビッグクラブ同士、それ以外のクラブはそれ以外のクラブ同士で戦うべきだと言って、いただろう」

 レアル・マドリーは同リーグの試合放映権が一括管理された8年前からラ・リーガに対して51もの訴訟を行ってきた。その多くは自分たちの放映権収入を引き上げることを目的とし、しかし敗訴を重ねてきている。​

「レアル・マドリーは8年前から放映権に関する合意について妨害ばかりしてきた。それでも、私たちは成長を続けてきたんだ。彼らは絶対に必要不可欠な存在ではない。が、こうした類の合意を一緒にしてもらいたくはあった。いずれにしても、彼らがラ・リーガの成長を妨げることはない」

「レアル・マドリーは今日の合意が行われぬように私たちを脅迫し続けてきた。これから、どうなるのか見てみよう」

 またバルセロナがCVCからの資金調達を受け入れず、FWリオネル・メッシとの再契約をあきらめたことにより、ラ・リーガが大きな打撃を受けることになったとの見解については、次のように返答している。

「私たちはいつだって最高の選手たちがいることを望んでいる。メッシの退団は少し痛ましいことだった。ラポルタはすべてうまくいっていると言っていたのに、いきなりすべてが崩壊してしまった。いずれにしても私たちは、私たちのリーグの市場価値を上げていくために懸命に努力してきたんだ。放映権についても今後4年間の売却は終わっており、メッシがいないからと言って権利の価値を引き下げる条項は存在しない。バルセロナのファンも、メッシがいてもいなくても変わらない」

「少し前にESPNと8年契約を結んだが、どんな選手についての義務も負っていないよ。スター選手たちは重要で、私たちの助けになってくれるが、必要不可欠なわけではない」

 ラ・リーガは今回の資金調達によってインフラ面の整備を行い、将来的には仲介者抜きのOTTサービス(現在スペインには存在しない)での試合配信などによって、収入を上げていくことを目指す。また資金調達を受けるクラブは人件費や選手補強のための臨時収入を受けることができ、パンデミックによる財政難を乗り越える後押しを得ることに。加えてレアル・マドリーやバルセロナも、ラ・リーガが放映権の価値を増やせば将来的に恩恵を受けることができそうだが……、スーパーリーグのためにはむしろ邪魔だったのかもしれない。

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